ABILITYシリーズもそうですが、最近はiLokシステムだけでなく、一般USBメモリをUSBドングルとして使用できる製品も増えてきました。(Wavesなどの製品も近年一般USBメモリを使用するタイプになりました。)
自身もABILITY 4.0 Proのアップグレードがあった際に、新たに新規USBメモリを新調してABILITY 4.0 Proのアクティベーションを行ったのですが、新調した(新品購入した)USBメモリがわずか一日二日で破損するという製品がありました。
(※その際ABILITYのサポートの方には大変迅速な対応を頂いて感謝しています。)
その際なぜそうなったのか、どういったUSBメモリ製品がそういった状況に陥るのかを大方判断出来ていますので、今回記事にしています。
自分の場合、日本のelecom社が販売しているMF-SU2BWHFシリーズ(MF-SU2B16GWHF)という製品で起こった内容で、その製品の購入者のユーザーレビューを見ても、とにかく“熱に弱い”という内容が各所で見られました。(カーオーディオなどで使用をしていた複数人がすぐにそのUSBがフリーズしてしまい、試しに暖房で暖めたら読み込めなくなり、冷房で冷やしたら読み込めたというものなど。似たような内容が複数件見られ、自身も熱に関して同様でしたので、その信憑性が確認できました。)それだけではなく“熱に弱い”というより“発熱する”製品でもあったと思います。
それらの個々の方の記載が、製品の個体差であるとか当たり外れの内容ではないかと購入前には考えていたのですがそうではなく、製品の構造上の問題だけでなく、非常に粗悪なメモリチップが使われている可能性(工場や部品のルートなどで)が高いのではないかという判断になりました。
その理由として充電池製品やUSBメモリなどの容量に関わる製品は、現在中国製造品に容量詐欺品が膨大に横行していて(容量詐欺を行わない堅実な中国製造メーカーがあることも実際存じてはいて)日本国内の販売メーカー主体で行われた製造製品であっても、それらの工場やパーツが絡んでしまっていたりするのではないかと内容より思ったからです。
ちなみに自身がそのMF-SU2BWHFシリーズ(MF-SU2B16GWHF)を使用した際には、初動直後では問題なく動作し、数日経ちPCを起動確認してみるとそのUSBメモリのアクティベーション内容が全て勝手に消えてしまっていた内容です。(挿しっぱなしかつ削除等自身で作業を行った経緯がありません。)
その後に別途復元ソフトを用意してそのUSBを検索してみても、ファイルそのものがなくなっておりUSB名そのものすら消えてしまっていて、未操作状態にもかかわらずディスクが書き込み禁止にもなっていました。また16GBメモリの場合、Windows上の表示容量(1KB=1024B)が約14.9GBになるはずが、この商品はフォーマットされた状態で14.4GBの表示しかされていなかった状態でした。(上記は破損した状態での確認で、この内容からもしかしたら何らかの容量詐欺の形跡があった製品なのかもしれないとも見られました。)
USBメモリをUSBドングルとして使用する際、そのソフトウェアを使用する際には当然挿しっぱなしで使用するわけで、PCやハブの熱をもろに受けてもしまうわけです。粗悪なチップが使用された製品の場合には、チップ自体が熱暴走のような状態で発熱するケースも考えられ、それに加えて本来のPC周辺の熱に対応できていない製品は一日で壊れる可能性があり、対応出来ている製品は10年使用しても壊れないことが多いという経験上からも、ドングル仕様として買ってはならないUSBメモリというのは、これらの“熱に極端に弱い”USBメモリということになります。(今回の製品では、その際にそのメモリを触れてみると非常に高い熱を持ってました。これが同じ個所で同じ使用方法で使用している他のメモリでは、それほどの熱を持っていません。)
上記の部分から、USBメモリなら何でもいいんじゃないかと日頃考えがちではあるんですが、経験上そうではなかったと言えます。
また極力ドングル仕様で使うUSBメモリは抜き差しを行わない(行う場合にはWindowsでは取り出しコマンドを使用することは前提として)ことや、ドングル以外のファイルを書き込まない(使用しない)ことも大きな前提でもあります。(USBメモリ自体は1000円程度と安いものが多いですが、そこに含めるカギは数万円~数十万円するソフトも少なくもないので。)
最後にどのような製品がドングル仕様としてのUSBメモリとして適しているのか、実際に使用している経験からもあげておきたいと思います。
まずドングルとして使用する場合、ノートPCでの使用なども含めて、抜き挿しを行なわずに挿してる出っ張りを極力意識しない長さの短い物が好まれるとも思いますが、その形状で選ぶとSanDiskのCruzerFitシリーズ(黒カラーのメモリで真ん中に鉄の小さなストラップフォルダの付いている物)が最も良かったです。この製品は差込口が固い(狭い)ので、一度挿し込んでしまうと外れにくく、24時間使用通電PCで挿し込まれて起動している状態で触れても熱をそれほど感じませんでした。
国内メーカー販売発ではBUFFALOのRUF3-PSなども外れやすさはありますが動作(熱問題含め)に問題ありませんでした。
また、長さや形状を問わないのであれば、シリコンパワーのFirma F80を最もお勧めしたいと思います。メタル素材で廃熱そのものにも優れ、防水、防塵、耐衝撃、動作温度0度~70度という内容に加えて、実際使用していてその耐久性も抜きに出ていた製品でした。
(それらはいずれもUSB2.0製品の内容で、USB3.0規格のものはドングル利用としては基本的にお勧めしません。USB2.0と物理的な仕様が異なり、互換性があっても電力部分を含めて発熱量が高くなる傾向にある為です。)
ただこちらの記事でドングル仕様としてUSBメモリを選択して破損等があっても、当然ながら責任を持てませんので、ご自身の判断に基づいて良い製品を選ばれてください。また少なからず偽物のコピー品が存在しますので、購入の際には信頼できる販売店で購入をされてください。(個人売買などはこういった用途の品はお勧めしません。)