デザイン・GUIの要望

写真は2003年に発売された旧SONAR3のデザイン・GUIです。
(旧メーカー配信画像より)

 年代的に(もう20年程前なので)あまり資料が残ってなく、バージョン3の画像がほとんど探せられないですが、この旧SONAR3、機能こそロクでもない部分も少なくなかったのですが(まだこのバージョンではステップ入力の画面追尾すら用意されていない考えられない中身だったりと)、その一方でデザイン・GUIや色彩の部分では最も完成されたDAWだったと使用経験上から思っています。

その理由は

①ソングエディタ上のトラック操作パネルの視覚機能性の高さ

②ミキサーのレベルメーター、各つまみの視覚設定と数値部分を別に用意した視覚性の高さ

③各ボタン部分をハードウェア(透明プラスチックボタン)に似せたデザインと視覚性の良さ

④全体的な色彩の見やすさ

という部分が一瞬で思いつく部分です。

 次の画像、これは旧SONAR2のデザイン・GUI画面(同じく旧メーカー配信画像より)で、正直音楽を作りたくなくなるデザイン・GUIでもあって、これが色彩こそ異なりますが、現在のAbilityと視覚を含めた感覚的にある程度そっくりなわけです。

現在のAbility(4.0)と比べるとどうなのか、画像(公式特長ページより引用)を見ると一目瞭然で、

その旧SONAR3と比較した上では

①ソングエディタ上のトラック操作パネルには、情報量というか視覚機能性の低さを感じる部分が大きいと思います。 というのは、基本的なトラック操作パネルの録音待機やソロミュートなどの他ソフトと共通したボタンやトラックの出入り口の表示などを除くと、表示や操作(各機能リンク)の機能がない部分だけでなく、その視覚機能性の部分では、旧SONAR3が全ての表示機能選択部分に、その機能のアイコンを左に用意した上で各機能項目を表示させていることに対して、Ability(4.0)ではそのアイコンがないことから来る視覚機能性の低さを感じるということです。

②のミキサーのレベルメーターや、各つまみの視覚設定と数値部分を別に用意した視覚性の高さについても、ミキサーのレベルメーターのデザインは、Ability(4.0)では表示の際に青色一色の表示がされますが、これが一般的なミキサー製品のミキサーのレベルメーターの色と程遠く(大半どのようなリアル製品でも緑色であって、その中でも優秀な製品はピークに近くなるにつれて段階的に緑色から黄色に変わることで、視覚的にもすぐに判り)習慣的にも音楽を作っているという感覚に視覚的に乏しく感じてしまい、レベルメーターが表示された際それをレベルメーター内の細かなドットのブロック表示で視覚上認識するというより、Ability(4.0)はシームレスな青色のグラフィックで表示されていることもよりあって、動くレベルメーターで即座に確認(認識)するというよりもミキサーのフェイダーやレベルメーターに細かく表示されたグリッドを常に意識して確認する部分が強く、ある意味意識的に疲れるという部分に感じました。そしてそれを増幅させているのは、L/Rのレベルメーターが左右離れすぎていることもあり、旧SONAR3のGUIをなぜこの時代に評価をするのかは、こういったGUIの全てがとてもスマートであったからです。 そして各つまみの部分についても、Ability(4.0)ではGUI上リアルのつまみを表しておらず、最近たまに実製品で見かけるタッチ操作やLED表示のみのような部分となっていて、そのパラメーターはLED表示の中央つまみ部分の中に数値表示がされるのですが、これがマウスで掴んで操作をした時に数値が操作上邪魔をされてほぼ見れずに、つまみ周囲のLED表示である程度その量を確認して、つまみを放した後で具体的な数値を中央でしっかり確認するという事にもなるんですが、これもまた二重の視覚操作性を使用者に求める部分でもあり、その旧SONAR3では、リアルつまみに似せたGUIにLED表示も用意し、つまみの右横には別途個別に数値表示が用意されてもいたわけです。

③旧SONAR3が各ボタン部分をハードウェアの透明プラスチックボタンに似せたデザインと視覚性の良さを持っていた部分についても、Ability(4.0)では例えば各ツールバーのボタン適応時の表示色など全て濃い青色でそのボタンが押されている表示にGUI上なっていますが、旧SONAR3の画像の左上のボタン部分など、Ability(4.0)と同じくボタンが選択されている(押されている)際には青色で表示がされているのですが、その色合いは柔らかく押されていることが視覚上判りながらも、視覚上では引っ掛かりのない色合いになっています(ミキサー部などは、ボタンが押されていても機能されていない箇所などは光らずに押されているGUIも用意されていたりと)。そして旧SONAR3の各ボタン部分が、スケルトンボタン調でボタンを押されるとボタンの内部から光るような非常に凝ったデザインがなされているのに対して、Ability(4.0)ではワープロソフトやビジネスソフトなどの非芸術関連の作成(作業)ソフトウェアそのもののデザインでもあるということです。

④そういった①~③の、言ってしまうと視覚機能性やGUIデザインの良くない部分を全て隠そうとする部分が、全面黒一色のカラー(色彩)になると思っています。 最近のDAWソフトウェア自体が黒色主体の傾向にあるのは確かで、ONかOFFかという表示に偏ってどぎつく感じる部分も多く、機能があればそれでいいというのは、その機能がない製品と比較をすればとても有り難いことなんですが、音楽はやはり芸術をつくる部分を含んだ行為でもあって、このページのように言語として言葉にしたものを言葉にしなかったとしても、感覚的に瞬時に認識する人も少なくはないわけで、そういった音楽制作者からすると、言葉にしなくても瞬時に敬遠してしまうソフトデザインというのも製品などではあると思っています。

 まずは過去自身の使用経験上から、最もデザイン・GUI部分に優れた個所の多かった旧SONAR3との比較において、Ability(4.0)に対するデザイン・GUIの要望部分をまとめる為にその内容を記載致しました。

そしてもう一点、具体的な箇所でピアノロールそのもののデザインに関する内容を記したいと思います。(その上で要望個所をまとめます。)

上記の画像(公式特長ページより引用)は、Ability4.0のピアノロールそのものの画像ですが、機能上過去Logicで多く付いていたようなピアノロールそのものに機能や表示を持たせたものになっています。
ここで取り上げるのはその機能ではなく、ピアノロールそのもののデザイン・GUIに関することです。

 上記の画像は、OpcodeのVisionというシーケンサー(後にDAWとしてStudioVision)のピアノロール画面です。
 このVisionというソフトを簡単に説明すると、まだパソコンの表示能力が乏しかった時代の、レコンポーザのような1枚絵のスコア表示とマイクロエディットを使用する製品だったり、単体ハードウェアシーケンサーのような1本のスライダー内に拍表示をして、何らかのデータが打たれた箇所のみ表示して細かくはマイクロエディットでエディットをするといったグラフィックに表示性能がなかった時代の製品が主であった後に、1980年中期以降ほぼ初めてMIDI入力にグリッドが時間(テンポ)経過とともに流れるピアノロールを使用して、レコーディングを行えるようになった製品のことです。(ちなみにMIDIシーケンサーとしてのピアノロール機能の根源は、オルゴール製品などを自動演奏させるロール紙の機能からです。)

残念なことにOpcodeのVisionはその後の買収と消滅によってメーカーや製品がなくなってしまい、ピアノロールを完全に主体と(牽引)する製品がなくなってしまったのですが、このVisionと一つ上のAbility4.0のピアノロールの画像を見比べた際、簡単に気が付く部分がないでしょうか。
 それはピアノロールの“角”です。(両端の〔 〕という形)
最近のDAW製品のほとんど全てと言ってもいいのかもしれませんが、そのピアノロールの角が真四角になっています。それがVisionのピアノロールは“四つ角”が凹んでいるのがわかるでしょうか。
 なぜこのような四つ角に凹みを付けているかというのは、画面解像度が現在より低かった過去よりロールの両端に凹みを付けてしまったほうが視覚的に見やすいという部分があり、もう一点重要だった部分は“ロールとロールが隣り合わせになる場合、この角の凹みがない場合には視覚上確認し辛い”からです。


 現在の様々な製品で、ピアノロールが非常に見辛いと感じることがあったり、何かしっくり来ないと思う部分の視覚的な箇所には、このピアノロールの角のデザインがあると非常に長い間思っていた次第なんです。ピアノロール自体の機能を色々と判断する際にはマウスで編集操作する際の操作性など様々ありますが、視覚的な箇所ではこの四つ角の凹みを用意してほしいと思っています。

 本項目の最後に、どのようにこれらの内容をメーカーに伝え、要望を届けるかということをまとめたいと思います。

まず一番初めのデザイン・GUIの4つの項目に関して、最も求めたいのは “デザインテンプレート機能” です。

その「ソングエディタ上のトラック操作パネル」に表示させる表示と機能であったり、「ミキサーのレベルメーター」のデザインであったり、「つまみ」のデザインであったり、「各ボタン」のデザインや、「ソングエディタやミキサー」画面などの各背景色(例えば画像の壁紙でも)であったり、

これらを全て使用者に設定(選択)させてほしいということです。
この機能、すでにSONARの製品(後期販売終了品や現行BandLab版SONAR)に含まれている機能(別途単体カスタマイズソフトが用意されていたり、本体のグラフィックテーマ機能など)と記憶をしていて、このような機能が上記の効果として行えて(テンプレートとして保管もでき、極端にいえばユーザー間で交換等できるような)、使用者の見合った好みのデザインに出来る機能として要望をしたいと思います。(これは今日明日の機能ではなく、大型のアップデート等でお願いができればと思っています。)


 次にピアノロールに関する“四つ角”を付けるデザインの要望について、

この機能を設定上(表示に関する設定など)で「ピアノロールに角をつける」などの機能を設けていただき、使用者側が見辛さや視覚上の不便さなどを感じた時に、設定のチェックを入れることでこのようなピアノロールの表示(ピアノロールに角をつける)になる機能の追加を願っています。


以上となり、

“デザインテンプレート機能” 

“ピアノロールの角デザイン変更機能”

2点をAbility(4.0)に対して、デザイン・GUIに関する要望と致します。

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メーカー詳細

ABILITY4.0
2022年5月27日発売
(現行販売品/メインストリーム)


ABILITY3.0
2019年7月18日発売
(旧販売品/サポート中)

ABILITYユーザー間でお使いになっている自作トーンマップ(音源定義ファイル)を募集中!

ABILITYユーザー間でお使いになっている自作トーンマップ(音源定義ファイル)を募集しています。(写真はサイト制作者自身がABILITYで作成したトーンマップです。)詳しくは「 3.“音源定義ファイルの作成と共有”」「ABILITY本体でのトーンマップの作成機能」を閲覧ください。

Web更新情報

2022.10.04

「機能の要望」と、一部の「コラム」を作成・更新致しました。


2022.08.30

「機能の要望」と、一部の「topics」を作成・更新致しました。


―中略―


2022.07.18

サイトの作成と公開を致しました。


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