画像はYAMAHAが1994年に発売した、QY300のテンキーとジョグダイヤルの部分です。(YAMAHA QY300製品詳細ページより一部画像引用)
過去様々なメーカーでハードウェアシーケンサーが販売されて、主に80年代に発売されたQX3などがステップレコーディングを行うハードウェアとしては最も有名な製品ですが、ある程度一般的になった製品はこのQY300からだと思います。
自身も過去長く使用していたことがありますが、ステップレコーディングというのは慣れてしまうと演奏する速度と大方同じスピードで打ち込むことができるようになり、トラック(楽器)の癖や演奏時のミスまでも意図して表現することが作成上で可能になり、作曲家が紙とペンで譜面を書く行為とも同様で、作曲を第一とした際にも効果のとても高い入力機能です。
(例えば演奏家ではない人間の下手な演奏に、個々の演奏の個性をも消してしまう機械的なクオンタイズをかけてしまい、それを誰がわざわざ聴きたいかと考えられる音楽性の根本的な部分もあります。そのまた逆に、適当に演奏されたデータではなく、全て意図したデータをスコアとして演奏家などへ渡す適切な譜面にもなる用途もあるわけです。)
そのQY300などには音符の長さが割り当てられたテンキーとロケートを操作するジョグダイヤルが用意されており、人によりますが主には16分音符に固定して入力してしまい、タイ(選択している音符の長さを倍に延ばす機能)とレスト(選択している音符の長さを空白にする休符のこと)を使い、例えば二分音符や全音符などの入力をしたい場合には、16分音符に設定しているとタイを山ほど連打しなければならなくなり、そういった部分からテンキーに割り当てられている音符を付点を含め別途選択していくといった感じです。そしてタイやレストは割り当てられたファンクションキーで操作を行い、ダイレクトに入力したい箇所にはジョグダイヤルで入力のスタート個所を探し、そのロケートを移動させるといった感じです。
これをABILITYで行えるように検証し、割り当てられない箇所については割り当てられるように要望しようというのがこのページの趣旨です。
ABILITYでこの設定を行う箇所は、“設定”→“環境設定”で表示される“ショートカットキー”から、“エディタ:”に表示される様々な個所で行うわけですが、スコアエディタのオプション箇所に「タイにする」のキー割り当てを見つけましたが、これがピアノロールで操作できるものなのか、いまいち検討が付きませんでした。
というのは、スコアを作成する際のタイや休符は、演奏家に向けた譜面上の適切な役割を持っていますが、ピアノロールによる制作時にはMIDIデータとそのスペースでしかないので、スコアの部分(趣旨)とは意味合いが異なることからです。
ピアノロールエディタの項目には、データ作成上の項目が見当たりません。何とリンクしているのかそうでないのかも解らず、一先ず問い合わせをしたいと思います。
(これが明確にならないと、この機能で使用するUSB等のテンキーを機能と合わせて新調ができないからです。)
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同日サポートから返信があり、
「ピアノロールエディタ」における
・現状「タイ」にする機能はございません。
・ステップREC時の休符入力のサポートしておりません。
という返信を見た時に、10秒ほど固まってしまいました。
先にも書いた通り、スコア時のタイとレストは、ピアノロール時のタイとレストとその機能(プログラム)の意味が異なります。
スコア時には、タイも休符も譜面上の意味を持っていることから、タイと休符それぞれが記号としても入力されるわけです。
しかし、ピアノロール時によるタイと休符には、それらのデータプログラムの機能は元々存在しないのです。タイについては、今入力したステップレコーディングのピアノロールバーの長さを単純に伸ばすだけの機能で、ピアノロール自体にタイデータがあるわけではありません。同じように休符についても、ピアノロール時における空白というだけの話で、休符のデータが存在するわけではありません。(しかし、過去のMIDI製品と同様この機能がなければ高速ステップレコーディングができず、直前に入力したピアノロールバーの長さを変えるのにわざわざ何順も動作を求められ、スペースも別の操作を求められるというもの。またこの機能がないと実質ベタ打ちのベタ打ち動作でしかなくなり、入力者の意図した譜面のタイミングを消されてしまい譜面を走らせ辛いということ。)
元々スコアをメインに置いて音楽を作られる人はフィナーレ層の方々で、いわゆるシンセサイザーをメインに使用するユーザーのほとんどはピアノロールユーザーでもあるわけです。(例えば動画共有サイトなどで、シンセサイザーを使用されている作家作業の現行DAW画面で、スコア表示に固定している人を見たことがありますか?)
それがスコアに用意した機能があり、ピアノロールにはその趣旨に置き換えて用意されていないまま、何十年もそれをベースに販売されているなど考えられないと思った次第です。
基礎的な箇所で早急に機能を追加頂く様にお願いしておきましたが、自身はステップレコーディング自体は一部のトラックでしか使用しないことも多いですが、これではホストとしてはこのソフトを置くことができないです。
このページの機能の要望欄にも「ピアノロールエディタ」におけるタイと休符の機能を追加しておきたいと思います。
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(2022/07/24)
昨日返信にて“手前の音符からのタイ”“以降の音符へのタイ”の機能をお付け頂けるとの内容をいただきました。またピアノロール時の休符についても、音符は入らずにカーソルは進む機能を追加されるという内容を頂きました。
メーカーの方々に感謝致します。
ステップレコーディングにおけるテンキーの割り当て2 に続いています。
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ABILITYユーザー間でお使いになっている自作トーンマップ(音源定義ファイル)を募集しています。(写真はサイト制作者自身がABILITYで作成したトーンマップです。)詳しくは「 3.“音源定義ファイルの作成と共有”」「ABILITY本体でのトーンマップの作成機能」を閲覧ください。
2022.10.04
「機能の要望」と、一部の「コラム」を作成・更新致しました。
2022.08.30
「機能の要望」と、一部の「topics」を作成・更新致しました。
―中略―
2022.07.18
サイトの作成と公開を致しました。
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