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ハートプレイスは皆さまとつくるピアサポートの場です。どうぞお気軽にお越しください。

平成30年までのサロンの様子をこちらのページにて報告しています。

平成31年(第67回)以降の活動報告は別ページ「活動報告(平成31年→令和元年)」へ、引き続き報告していきますのでよろしくお願いします。

第66回 平成30年12月9日(日)

早いもので今年も12月までやって来ました。

今月は湘南がんサロンコクア会のクリスマス会に参加させていただきました。私はコクア会を運営している湘南がんサポート委員会にも所属しています。コクア会では毎年この時季にクリスマス会を開催しています。

今年はトークショーとして、ゲストに桜林芙美さんをお招きして、講演とフラダンスを披露していただきました。初発~再発までのお話しをしてくださり、30代で罹患された方ならではの目線で語ってくださったお話しは、まっすぐで、桜林さんの生き方そのものが伝わってくるようでした。

悪戦苦闘の子育て真っ最中の生活の中に、突然訪れたがんという病。将来への不安や、副作用の辛さに気持ちが滅入ることもあったとのこと。

そんな中、あるスイッチが。

「このまま損ばかりしていているなんて。もっと得をしよう!得をした人生にしたい!」そう思ったそうです。

そこからプチ患者会を立ち上げるまでの速さ。その加速エネルギーはどこから来るのでしょうか。今も治療を続けながら活動されています。

初めてお会いしたのは、「生きるを伝える写真展」でした。病で髪を失った女性のそれぞれの生きるを形にした写真展で、桜林さんはモデルさんをしていました。閉会の時間に私に声をかけてくれたのです。

乳がんサバイバーとして何かしたい。サバイバーだからこそできることがあるのでは。重なる思いがありました。

それが患者さんたちが気兼ねなく病気や生活のことを話せる『場づくり』でした。

コクア会でも、ハートプレイスでも、参加してくださっている方たちの中には、これからはサポートする側で何かお役に立てればとおっしゃってくださる方もいます。この循環がまさに『ピアサポートの力』だと思います。

今日もたくさんの笑顔に会えました。フラダンスを踊る桜林さんの笑顔はまぶしいくらい輝いていました。

今年も1年、本当にありがとうございました。


【天野】

第65回 平成30年11月25日(日)

自宅のパソコンが固まってしまい、ホームページの更新が遅くなりました。

今月はランチ会をしました。自然派レストランで、季節の野菜を豊富に取り入れたランチプレートをいただきながら、ゆるゆるおしゃべり。

検査の前はいつもやっぱり不安になる。皆さんが口をそろえておっしゃった言葉です。

その日に結果を知ることができずに、2週間後に結果を聞きにいかなければならなくなった方がいらっしゃいました。

「その待っている間が、もう長くて」「わかるー。エコーを何度も同じところに当てられたりすると、何?何かあるの?ってドキッとするし」

担当医師から言われた暴言の数々をお話ししてくださった方もいて、一同、ええっ!?考えられないと声をあげてしまいました。

また初発の告知の際、患者はただでさえショックで頭が真っ白になっているのに、そこに追い打ちをかけるように、「こういう場合は、治りませんから」と言われた方もいらっしゃいました。治療をする前から、こんな言い方をされたら、患者はどこに希望を見出し、治療に向かったら良いのでしょうかね。

けれど、こうした様々な心折れる体験も乗り越えて、皆さんは今ここにいるんですね。まさしく、患者力!!

そしてその体験を、今苦しんでいる方のために、少しでも何かできれば。役立てれば。

罹患したことは悪いことばかりではない。罹患したからこそ、見えることもある。感じることもある。皆さんおひとりおひとりが、そんな思いでいて下さっているのを感じます。ハートプレイスは素敵な先輩たちがいるピアサポートの場です。

皆さんの笑顔がこぼれる楽しいランチ会になりました。また来年もぜひやりたいと思います。


【天野】

第64回 平成30年10月28日(日)

秋の到来。食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋。皆さんはどんな秋を過ごしていらっしゃいますか?

治療真っ最中の方、術後の方、また初発の告知を受けたばかりの方も、このページを読んでくださっているのかなぁ…なんて思います。

今朝、私の携帯に電話をくださった方がいらっしゃいました。突然なのですが、今日のサロンに参加させてもらっても良いでしょうか?

というご連絡でした。皆さん考えて、悩んで、迷って、きっとご自分のベストなタイミングで連絡をくださるのだと思います。

乳がんサロンて、いったいどんなところなんだろう。何人ぐらい人がいるんだろう。年齢層はどんな感じなんだろう。自分に近い年代の方はいるのかしら。同じサブタイプの方はいるかしら。会場はどんなところだろう。

皆さんそれぞれ、いろいろなことを考えて私のところに電話をくださるのだと思います。今日、初参加でみえた方は、「ネットでホームページを見ました」とおっしゃっていました。またひとり、ハートプレイスのお仲間が増えました。ご縁に感謝致します。

乳がんに罹患したことを周囲に告げることは、相手の反応を考えるとなかなか言い出せなかったり、余計な心配をかけたくない思いから、言わないでおこうと考えたり。親しい友人にもまだ言えないという方も、お話しを聴くと結構いらっしゃいます。

その反対に、言うことで、自分自身が楽になることもあるようです。

今日のトークの中でも、職場に伝えたことで、就労に関して周囲が理解をしてくれているので有り難いというお話しが出ました。

脱毛の影響が出る抗がん剤の治療は特に、仕事を継続していくことへの抵抗や不安が頭をもたげます。自分から話して知っていてもらうことで、気持ちが楽になることは確かにあるかもしれませんね。

乳がんの治療は手術をして悪いところを取って終わりという病気ではないため、そこの部分の理解までは難しい…と皆さんそこは口をそろえて言っていました。術後やある一定の治療が終わった時に、「もう治ったんでしょ?」と言われる。

罹患する前は自分だってそんなことは知らなかったし。で、説明するのも面倒だから、心の中で「治ってませんけど」って…(^▽^;)

こういうサロンのような場があると、そういうのもわかっている人たちばかりだから、気が楽ですねとお話ししてくださいました。

がんに罹患することって、きっと何かのサインで、自分が無理をしていたこととか、そういったことに気づきなさいということなのかもしれないですね。

病気になってから、本当に感謝の気持ちを持つようになった。なってなかったら、どんな自分だっただろう。

今まで後回しにしてきたことも、やりたいと思うことはやり、何でも楽しむようになった。

手術の時の入院生活は家事をしなくても良いし、上げ膳据え膳で最高だった。

自分が少しでも不安の中にいる誰かの力になれたらって思います。

私は病気を経験した後の、今の自分の方が好き!

素敵な言葉ですね。

初参加された方が、皆さん病気をされても、こんなに元気にしている姿を見て、なんか元気をもらいましたと言ってくださいました。

ゆったりとした広い貸し切りのお部屋で、ゆるゆる時が流れるサロンに皆さんいらしてください。お待ちしております。


【天野】

第63回 平成30年9月23日(日)

暑さ寒さも、彼岸まで。皆様、やっと涼しくなりましたね。酷暑の夏、いかがお過ごしでしたでしょうか。

またここに来て、寒暖の差が激しい日が続いていますが、体調を崩したりしていませんか?

我が家の庭は草むらとなり、夜になると、コオロギの合唱が聴かれるようになりました。朝晩のひんやりとした空気にも秋の到来を感じますね。

今年の夏は記録的な暑さとなり、ある商品が飛ぶように売れたそうです。それは『梅干し』。一部製造が追いつかなくなったこともあったようです。

今日は会員さんがご自分で漬けた梅干しを持って来てくださいました。肉厚で軟らかく、見事な出来上がりでした。思わず「ご飯が食べたくなるー!」と叫んでしまった私。手間暇かけて作られた自家製の梅干し。日本人の『食文化』を感じる逸品でした。

この夏程、梅干しのおにぎりを作った年はないと思います。秋の気配を感じても、せっせと作り、毎日食べています。

今日のサロンの話題は8割がた体に関してのことだったでしょうか。検診を無事に済まされた方の報告を皆で喜び、体の痛みについてや、胃カメラ検査を初体験したお話も伺いました。先日亡くなられた樹木希林さんの生き方にも触れ、自分の最期をどのように迎えるのか、いつか必ずその日が来ることを「そうだよねえ」と語り合いました。

元気で自分の体が動くうちから、こういった話をすることはとても大切なことだと思っています。

最期に「ああ、いい人生だった。素敵な人達に出逢えて、良い仲間に囲まれて、自分ほ幸せだった」と振り返られる人生にしたい。

たとえ人より短い人生であっても、その満足感と感謝の思いで最期を迎えたい。

1日1日を大切に。


※今月の写真は会員さんの手作りシリーズ。頂いた梅干しとリボンで編んだストラップです。


【天野】

第62回 平成30年7月22日(日)

暑いこの夏の時季の楽しみのひとつに、ハスの花の開花があります。

朝のみずみずしい空気の中で大きな蕾が花開く姿は何度見ても心惹かれます。

透きとおった緑の葉脈の美しさも神秘的ですね。

近所に小さなハス畑があるのですが、今、次々と花を咲かせ、私が出勤する早朝にはカメラマンの姿も何人か見られます。

毎年お盆になると、母の手を引いて盆法要に行っていました。そのお寺の本堂の入り口に、ハスの花が咲いていて、母とそれを見るのを楽しみにしていました。

母が亡くなった時、お寺のご住職さんがお棺の中で眠っている母の足元にハスの花の種を入れてくださったのです。

「お母様が毎年楽しみにしてくださっていたハスの花の種です。お寂しくないように足元に入れさせていただきました」

そうおっしゃっりながら、旅支度をした母の足元にそっとハスの種を入れてくださったのでした。

母のことを思ってくださり、ハスの種をここまで持って来てくださったお気持ちに、胸がいっぱいになったことを

今でも覚えています。

さて、猛暑にもかかわらず、サロン会場に足を運んでくださった皆さんと共に、今日もお茶を飲みながらゆるゆるとおしゃべり開始。

何か趣味を持とう!と思い立ち、レザークラフトを始めた方。初めての工程での失敗談に皆で大笑い。(≧▽≦)

失敗があっての成功。世界でたった一つの作品が出来上がるのを楽しみにしていますね。

シャドーボックスをやっている方。書道をやっている方。会員さんたち皆さんすごい。何もやっていないのは私ぐらいなものです。

ご主人の趣味の釣りの話や、梅干しやシロップ漬け、果物の話など、話題はつきず、あっという間に閉会の時間となりました。

主婦の皆さんは手際が良く、テーブルやイスの片付けもあっという間に終わってしまい。

この共同作業の時間も、ハートプレイスならではというか、一緒に何かをやるっていいなぁと思います。

これからもサロンで語り、一緒に笑い、一緒に悩み、時には涙し、共に成長していける場を皆さんと作っていければと思います。


今年の夏は、例年にない40℃超えの暑さで、命にかかわる暑さとも言われています。

8月のサロンはそんな酷暑のため、お休みすることに致します。

また次回9月にお会いしましょう。


【天野】

第61回 平成30年6月24日(日)

朝はひんやりとした梅雨寒の空模様でしたが、午後からは日差しが戻り、気温も上がってきました。

紫陽花がまだきれいに庭先に咲いているお家もありますね。午前中に寄った市場ではキキョウの花を見ました。ラベンダーも売っていましたよ。

思わず手に取り、香りを嗅いだら買っちゃいました。季節を感じる花は大好きです。

今日もおひとり新規の方がご参加くださいました。抗がん剤の治療中にがんサロンに足を向けてくださること自体、エネルギーのいることだと思います。まるで地毛のようにフィットして、ふんわり可愛い髪に、参加者一同「えっ、ウィッグなの!?」と。「はい、ウィッグです!」の答え。

洋服を着こなすって言いますが、ウィッグの場合は何て言ったら良いのでしょうか。ウィッグをつけこなすじゃ、変ですものね。

こんな素敵に装うことができたら、外出も苦にはならないかもしれないなぁ…なんて思いました。

ウィッグもカットしたり、編み込みをしたり、自分スタイルにヘアアレンジができることをご存知でしょうか。熱を加えても問題ない材質のものはアイロンでカールもできるし、ヘアピンやバレッタでとめても可愛いですよね。

ウィッグはどうしても医療用のイメージが強く、『隠すもの』ととらえてしまいがちですが、病気に関係なく、おしゃれを楽しむためにウィッグをつけている方もたくさんいらっしゃいます。モデルさんたちなどウィッグをかっこ良くつけてきらきら輝いていますよね。

自分に合った洋服を選ぶように、ウィッグも自分スタイルに似合うものを選び、『楽しむ』ことができたらいいなと思います。

茅ヶ崎には最高のホスピタリティを持ち、ウィッグカットやヘアアレンジもしてくれるヘアスタイリストさんがいます。完全予約制の個室サロンということで、周りの目を気にすることなく、安心してウィッグを外せそうですね。抗がん剤治療で脱毛の副作用が避けられない乳がん患者さんのために、ヘアスタイリストとして何か力になれたらと、私にも声をかけてくださいました。『隠す』ことから、『楽しむ』というワクワクにシフトチェンジできたら、ネガティブなウィッグのイメージをがらっと変えることができるかもしれません。

お知らせのページにも載せましたが、その方が茅ヶ崎で「生きるを伝える写真展」を開催します。私共ハートプレイスも共催させていただきます。

皆さん、ぜひ一度いらしてくださいね。

今日は術前の抗がん剤治療をやるか、術後にやるか、自分で決めなければならなかったことの戸惑い、複雑な心境が語られました。

遺伝子治療が進歩し、治療効果のない抗がん剤は使わないと誰もが選択ができる時代もそこまで来ているのかもしれません。前もってわかれば、辛い副作用も回避できるわけですから、心身の負担も軽減するでしょう。けれど、はっきり抗がん剤が効かないという事実を突きつけられた時、それはそれで複雑だよね…と声が上がりました。知ることも治療を選択すことも覚悟が必要なのだと思います。


今日6月24日、お誕生日を迎えた会員さんがいらっしゃいました、命の輝きに感謝。

〇〇歳のお誕生日おめでとうございます!心ばかりのお祝いの花を受け取ってくださった時のやわらかな笑顔が胸に残っています。

そしてサプライズで、会員さんから思いもよらぬものをいただきました。遅くなってしまったけれど…と2月生まれの私への誕生日祝いでした。

え??私に?何で?えーーっ??✿素敵なハーバリウムボトル✿でした。お気持ちが嬉しくて泣きそうになりましたが、こらえました。

皆さんに会えるだけで心癒され元気をいただいています。がんという病気を患ったおかげで出逢えた皆様に感謝致します。

いつもありがとうございます。


【天野】

第60回 平成30年4月22日(日)

夏のような日差しの日曜日になりました。4月だというのに、最高気温は28℃。

2階にある会場の窓を全開にすると、爽やかな風がさーっと吹き抜けて、何とも心地良い気分になりました。いつもお借りしている和室の会場は、畳24畳程あります。この広い場所を貸し切りで使わせていただいております。乳がんサロンは、病気のこと、体に関するプライベートなお話をすることも多いので、誰にも気兼ねなく、自分のことを話せるこの環境はとても有難いと思っています。どっぷり昭和の年代の私には、畳にはやはり愛着があり、ここに来ると、日頃の慌ただしさからほっと一息つける、そんな空間になっています。

今日は初参加の方が来てくださいました。術前の抗がん剤の治療中で、来月、治療の効果をみて、手術の予定だそうです。同様の治療経験者の方のお話が聴きたい。また同年代の方ともお話したい。そんなお気持ちで電話をくださいました。ハートプレイスのことは、県のがんサポートハンドブックで知ったそうです。神奈川県のこの冊子には、県内のがん患者会が掲載されています。何がご縁になるかわからないものですね。

治療中の辛い時期にもかかわらず、ハートプレイスの扉を開けて、今のご自身の揺れ動く気持ちを率直にお話してくださいました。聴いている皆さんのほうも、自分が告知された時のことをそれぞれ思い出すように語ってくださいました。

私はそんなに冷静ではいられなくて、ショックでどーんと落ち込んで、ご飯も食べられなくなった。

私は1年先はないんだな・・・って、その時はほんとにそう思った。

がんとういう言葉が、どうしても死をイメージさせてしまう。

治療にお金がかかること、高額な薬代~ジェネリック薬品について、ウィッグ、味覚障害、骨粗しょう症について、いろいろなお話が出ました。

中でも、病気の周知については、親しい友達にも、病気のことはなかなかわかってもらえない。やはり同じ病気の経験をした者同士、こうして話ができる場があって良かった。友達は決して悪気で言ったのではないけれど、その何気ない言葉に、かえって傷ついたりそてしまったことがある。

職場の人にはいまだに言っていない。ご近所にはもちろん言わない。

そうなると、必然的に孤独になってしまいます。乳がんは治療が長く、極微小がんでも全身に散らばりやすい性質があることから、不安も長く付きまとうようです。

エコー検査の時に技師さんが、同じところを何度も念入りに当てたりすると、そこに何かできているんじゃないかって心配になる。

そう、そう。最後にもう1回そこに戻ってきて当てたりされたら、え?そこに何かあるの?って、もう心臓バクバクしてくる。

そう、そうなの!皆さんその時の様子をリアルにお話してくださるので、臨場感あふれ、胸の鼓動まで伝わってくるようでした。

「そう、そうなの」は、相手が自分と同じ思いであることを感じた瞬間や、誰かに自分の気持ちをわかってもらえた時に、ふいに口から出てくる言葉ですね。サロンの中でも、この言葉を大切にしたいと思っています。

会員さんが手作りのアップルパイ、カボチャパイ、キュウリの漬物を持ってきてくださいました。バター風味のサクサクのパイ生地に、中のリンゴがまた美味しくて。持ち帰りもできるように用意してきてくださり、ありがとうございました。ごちそうさまでした!


【天野】

第59回 平成30年3月25日(日)

ようやく暖かくなりましたね。今年は寒暖の差が激しい日が続き、体調を崩された方も多いのではないでしょうか。

私の周りでも、人生初のインフルエンザに感染したという方が何人もいらっしゃいました。お彼岸にもまさかの雪が降り、箱根は大雪になりましたね。

そんな天候の中でも、木々が芽吹き、桜が咲き始めました。我が家のしだれ桃もほろほろ蕾がほころび、色とりどりの花を咲かせました。

この木は台風で一度倒れてしまったことがありました。

何年か前、強風で地面にくの字に倒れた木を見た時は、胸が痛むほどショックでした。もう花が見られなくなるのでは・・・と必死で木を抱き起こし、幹を吊りあげ、支えを当てました。人間で言えば、骨折したところに添え木を当てるようなものですね。けれどできることはここまでで、あとは見守るしかありませんでした。木の力を信じ、長いこと見守り続けました。

すると花桃の木は、しっかり地中に根を張り、強風にあおられながらも踏ん張り続けてくれました。そして花を咲かせてくれたのです。

この花桃の木を見ると、あの時の絶望と希望が思い出されます。絶望が希望に変わる時、人は何か大きな力に包まれ、そしてその力を役立てようと動き出します。蕾がふくらみ、花開いただけで、嬉しくなったり、時には、はかなく切ない気持ちになったり。

桜の季節、皆さんは何を思いますか?

サロン終了後、会場の駐車場から見えるお隣の家の花桃の木を指さして、会員さんが笑顔いっぱいになるのを見ました。穏やかな春の日差しに照らされて、ほころぶ笑顔がきらきら輝いて、まぶしかったです。


先日、青森に行ってきました。南田温泉のリンゴ風呂や酸ヶ湯温泉に寄り、温泉三昧の旅。五能線にも乗ってきました。

吉永小百合さんが旅のCMで訪れた【鶴の舞橋】も渡ってきました。下の写真がその橋です。会員の方で青森に20年程住んでいた方がいらっしゃって、青森にはあちこちに小さな温泉があることを教えてくださいました。鹿児島出身の方からは方言をいくつか教えていただきました。

日本の方言は面白いですね。今回の旅のバスガイドさんは標準語でお話ししてくださいましたが、運転手さんとふたりで話している時は、お国なまりが強すぎて、話の半分もわかりませんでした。(笑)それもまた楽しかったです。

先のことはわかりませんが、体が動くうちに行きたいところに行く!会いたい人には先延ばしにしないで会っておく!そう思っています。

目や耳の老化の話や、体の不調をつい再発や転移と結び付けてしまうことや、抗がん剤の副作用のひとつであるケモブレインについて今日は話が出ました。最近になってこのケモブレインという言葉が患者会の中でも出るようになりました。エビデンスが集まることによって、このように以前は耳にもしなかった言葉が、今後も出てきそうですね。患者さん同士の情報交換がそういった意味でも大切に思います。


【天野】

第58回 平成30年1月28日(日)

新年に入り、関東でも大雪が降りました。大寒波到来で、日本各地で様々な被害が出ていますね。

先日の朝、車の温度計がとうとう-6℃を表示しました。寒い寒い冬になりましたね。

私が子供の頃は、冬になると水たまりに氷がはり、学校へ行く道々、パリンパリンと面白がって踏みつぶして歩いたものです。家の軒先につららがぶら下がるなんてことも、珍しくはありませんでした。つららを折って、ままごとの箸にしたりして遊びました。大人になると、どうにも寒さに弱くなってしまいますね。子供は風の子、大人は火の子とはよくいったものです。今ではカイロなしではいられません。昨年頂いたふわふわのマフラーのおかげで、いつも襟元は温かです。

今月は極小さな良性のしこりで経過観察をしている方とお話しました。年に1度の定期検診に通っているそうですが、今のところ問題はないということです。それでも待合室で結果を待っている間は、悪性と言われたらどうしよう・・・と不安な気持ちになるとおっしゃっていました。

その方は自宅で高齢のお母さまを介護しており、24時間そばに付いて、痰の吸引や経管栄養の管理をされているそうです。

乳がんに最も多く罹患する40~50代の女性は、年齢的にも親の介護の問題を抱えている方が少なくありません。そんな時はひとりで抱え込まないで、周りのサポートを受けることも大切です。


1月16日に県の総合医療会館で、がん患者会情報交換会が開催されました。今回が2回目となります。聖マリアンナ医科大学病院乳がん体験者の会「マリアリボン」さんと、横浜市立みなと赤十字病院乳がん患者会「ひまわりの会」さんと、昨年に引き続きお話をすることができ、とてもためになる時間になりました。興味深いお話をたくさん聴くことができ、また聴いていただいたことで、自分の気持ちが楽になったりしました。

こういった繫がりを大切にしたいと心から思いました。皆様、有り難うございました。

今年も聖マリアンナ医科大学病院ブックレット製作チームさんより、素敵なブックレット「Present~がんとともに暮らす❛❜いま❛❜~vol.5」を送っていただきました。がんとともに暮らす皆さんのそれぞれの❛❜いま❛❜が綴られています。手に取って読む方のそれぞれの心、❛❜いま❛❜にきっと響くことでしょう。いつも有り難うございます。大切に回覧させていただきます。


【天野】

第57回 平成29年12月17日(日)

今年も残り少なくなりましたね。12月、街はクリスマスのイルミネーションで華やぎ、冬の裸木もLEDをまとって素敵に輝く季節。

皆様、今年はどんな1年だったでしょうか?

今年も1年の締めくくりのサロンは忘年会!!会場は大戸屋さん。久しぶりに参加してくださった方のはじけるトークに、もうまいったと思うほど笑わせていただきました。それぞれが辛い時期を過ごしてきました。大波を乗り越え、今、皆で笑い合える時間。同じ乳がんという病と向き合ってきた仲間の、ひとまわりもふたまわりもたくましくなった姿がまぶしく見えました。あまりの盛り上がりに、店内に声が響いてしまい、慌ててて両手で口をふさぐしぐさにまたまた皆で大笑い。私たちのテーブルだけ、まるで居酒屋のようでした~。ランチ時なのに…v(^▽^;)

それでも笑うということ、笑い合える仲間がいるということの大切さを、あらためてサロンを通して感じることができました。

人生いろいろなことがありますが、この笑顔があれば、乗り越えていけるのではないでしょうか。

今まさに、告知を受けて、不安でいっぱいの方や、辛い治療で心が折れそうになっている方もいらっしゃると思います。乳がんは治療にとても時間がかかります。がんを切除して終わりではありません。そして再発率の高いがんでもあるのです。極小さな初期がんでも、全身に散らばりやすいという性質があります。1cmの乳がんになるのに、10年かかると言われています。このように微小でも散らばりやすく、時間をかけて大きくなるため、治療も長くなります。

今日はホルモン療法による副作用が十人十色であることを痛感する内容のお話が出ました。誰が軽くて、誰が重いと線引きできる話ではなく、皆それぞれが辛い体の症状が出現し、それに悩まされてきたこと。そして今もそれが続いているということ。このような見た目や数字に表れない体の不具合を、医師にどのように伝えたらわかってもらえるのか。皆さんのお話を聴いていると、親身に話を聴いてもらうだけでも、少し気持ちが軽くなるかもしれないと思いました。閉経を迎える時期の患者さんが多いため、皆さん口をそろえて「薬の副作用なのか、更年期なのか、どっちなのかわからないわ~」と。私自身もこの10年、生理痛と同様の下腹部の痛みと、全身の関節の痛みの中にいました。朝起きた時の関節の痛みがあまりにひどく、一向に治る気配がないため、これは何か重大な病気かもしれないと、恐る恐る検査を申し出ました。リウマチ等、疑われる病気は全て陰性。そしてそんな痛みの中、普通にハードな仕事をしてきてしまったのです。これは治療の影響で仕方のないものなのだと決めつけて、やり過ごしてきました。きっとそのような乳がんサバイバーの方は案外沢山いらっしゃるのではないでしょうか。

多少痛くても動く手足、体があることに感謝しつつ、これからもセルフケアをしながら、自分の今ある体を生かしていきたいと思います。

今年も1年、本当にありがとうございました。

皆様との出逢いへの感謝と、天国へ旅立った方への感謝と共に、また新たな年を迎えたいと思います。

どうぞ良いお年をお迎えください。

【天野】

*下の写真、↓ランチ後のデザートですが、食べる気満々のフォークとスプーンが入り乱れていますね。(笑) あっと言う間に18時に!!

第56回 平成29年11月26日(日)

朝から強い風が吹いていましたが、南風の暖かな日差しを感じる1日でした。

慌ただしい日常に、ほっと一息つけた、そんな時間になりました。

今日は参加された方のお顔を見ているだけで、なぜかとても満たされ、幸せな気持ちになりました。

2階の和室の会場でサロンを開催しているのですが、始まる前にお一人お一人の階段を上がって来る足音が聴こえてきただけで、もう嬉しくて自然と笑みがこぼれます。「こんにちはー」と入って来るハートプレイスの会員さんの笑顔はまた特別素敵です!

ご家族の話や、飼い猫の話、またお墓に関しての話も出ました。日本でも土葬をしている時代があり、九州の田舎では30年程前まではまだ土葬だったそうです。人生の終日はいつ訪れるかわからないこと。そしてそれは病気に限ったことではないこと。交通事故や災害等で、命を落とすこともあります。海外へ旅に出かける時には、自分に何が起きても、後に遺る者に迷惑がかからないようにきちんとしていくという方もいらっしゃいました。元気なうちから、自分が意思の疎通ができなくなった時の延命治療等について話をしておくことの大切さを感じます。

人間元気な時は、自分にやがて死が訪れるなんて想像もできないものです。誰しものが通る道でも、遠い未来のことにすぎません。

がんという病に罹患したことで、少しはそういったことも考えやすくなったかもしれないな…と思います。


今日は始まってすぐに、思いもよらぬものを見させていただきました。お一人は、趣味でやっているシャドーボックスの作品の写真の数々を。一緒にやっているお仲間の皆さんの作品も、どれも見事で、手の込んだものばかりでした。ぜひ実物の作品を見たいものです。

また書道をやっている方は、久しぶりに頼まれて書き上げたという大作を、これまた写真で披露してくださいました。その素晴らしさに感動!

皆さん多才で、コツコツとご自分の好きなことを続けてきた姿がまぶしかったです。その後は漢字の書き順の話題になり、いろいろ教えていただきました。縦が先か、横棒が先か、書き方を間違って覚えていることの多さに愕然。書き順が正しくないと、字のバランスが崩れるそうです。どうりで美しい字が書けないわけです。国語の先生が黒板に書く字に子供の頃見とれていたように、その方の書体も美しい~と見とれてしまいました。

それぞれの人生の中で、出逢ったものがあり、それを大事に今も続けていらっしゃる姿に感動したサロンでした。


先日、タイに行ってきました。東南アジアの気候は私の体を元気にしてくれます。楽しく、思い出深い旅になりました。

下の写真はワット・ポーの涅槃仏と、アユタヤのワット・マハタートの木の根に取り囲まれた仏頭です。その姿は圧巻。吸い込まれそうでした。

寒い日本に帰国したら、またすぐ旅に出たくなりました。(笑)


【天野】

第55回 平成29年10月22日(日)

台風が接近中という生憎の空模様の中、日本癌治療学会学術集会の市民講座に参加してきました。

第55回の今年のテーマは「それぞれの癌」と共に、「それぞれの生」を生きる。

演者の方のお話はどれもすっと心に入ってくる、わかりやすく、かつ聴きやすい内容でした。それぞれの演者の思いが伝わってきて、ほんとにそうだよなあと自分なりの思いを重ねたり。がん患者、そしてそれをとりまく社会、医療の問題を一緒に考えることができた良い市民講座だったと思います。

森山良子さんのチャリティーコンサートがまた素晴らしかったです。悪天候にもかかわらず会場に行ったおかげで森山良子さんの素敵なエピソードも聴くことができました。

それぞれの癌、それぞれの生というテーマの通り、癌も、生きるということも、その人その人によって違い、ひとつとして同じものはなく、医師は患者の病気を診るだけでなく、その人のバックグランドや、生き方、大切にしてきたこと、希望、願いを丁寧に知る心を持ってもらいたい。そして共に最善を考えてくれる伴走者であって欲しいと願う。医師の態度や放つ言葉が患者の生の質を落としかねない場面を見てきた。

今日、「何より患者との空気感が大切ではないかと思う」そう言った医師がいた。嬉しかった。

患者自身も声をあげること。不安な気持ちや、治療や今後起こりうることの説明を聴いても頭に入らなかったこと、こんなことを聴いて良いかどうかと思うようなことでも、声に出して言ってみること。そしてもう一つ、ひとりで悩まないで、誰かに話してみること。その大切さも今日、伝えてくださった方がいました。

がん患者が心の底から求めている就労支援についてや、がんを知ること=命、大切なひとのことを考えること。治療が進化していく中、ひとりひとりの暮らしの願いを尊重する。それが治療の向上、生き方支援になるのではと話してくれた方もいました。

4時間近くの市民講座でしたが、どれも興味深いお話でした。演者の皆様、ありがとうございました。


【天野】

第54回 平成29年9月24日(日)

黄金色の稲穂がまぶしい季節。寒川町内でも今週末になって稲刈りが始まりました。

庭の柿の実も色づき、朝晩の涼しさに秋を感じます。

サロンのテーブルに、いただいた柿とブドウを並べました。秋の味覚。母の友人から毎年この時季になると、ブドウをいただきます。母はブドウが大好物でした。「お母さん、ブドウが好きだったから」とその方は母が亡くなって5年経った今でも、母が好きだったブドウを娘の私にくださるのです。

また父母とお付き合いのあったご近所の方にも、変わらずに良くしていただいています。私が仕事から帰ると、お勝手のドアノブに、畑で採れたサツマイモやナスがぶら下げてあり、何だか胸がいっぱいになる時があります。有り難いなあと。

周りの皆さんとの繫がりの中での出来事や、自分に何か起きた時に、この世にいなくても、ふと父母の存在を感じることがあります。

今日のサロンの中でも、術前の抗がん剤の治療で、脱毛や心身の不調に心が折れそうになっていた時、初めて亡くなったお父様が夢に出てきて…と

その時のことを話してくださった方がいました。不思議な夢だったけれど、父が心配して来てくれたんだなあって、何だか嬉しかった。そう感じたそうです。

今が元気でも、いつどうなるかわからないですよね…最近近しい方を亡くされたお二人が言った言葉。

年を重ねるたびに、お別れをする機会も増えます。

1日1日、感謝をしながら過ごすことですよね。

本当にそうですね。当たり前に声を出したり、当たり前に体も動くし、行きたいところに行き、食べたいだけ食べれることは、日々奇跡の積み重ねなのかもしれません。病気をしたことで、当たり前の幸せに気づいたという方も多いのではないでしょうか。

サロンの終わる時間に、新生姜を持って会場に寄ってくださった方がいました。くんくん鼻を近づけ皆で香りを楽しませていただきました。

今日も皆さんのおかげで良い時間を過ごすことができました。ありがとうございました。またお会いしましょう。


【天野】

第53回 平成29年8月27日(日)

8月、関東地方は雨降りの日が多く、梅雨のような空が続きました。体調を崩された方も多いのではないでしょうか。

この長雨で、野菜や果物の育ちが悪く、ブドウ畑では、ある品種は病気で全滅になってしまったとニュースで聞きました。また各地で大雨の被害も出て、育った稲が水に浸かり、深刻な米不足も心配されていますね。人も作物も、もうこれ以上被害がないことを祈るばかりです。

さて、今月のサロンはいつもと会場を変えて、ドリンクバー&デザートを食べながらお話ししました。午前開催。上の添付の写真で、会場がどこかわかった方はかなりのファミレス""つう""ですね。(*^^)v

うだるような暑さが和らいだ気持ちの良い朝になりました。半年ぶりに参加してくださる方と会えるのは、それだけでワクワクします。 久しぶりにゆっくりお話ができました。

乳がんの告知から2年が過ぎたその方は、治療のど真ん中にいた頃のご自身を振り返って話してくださいました。抗がん剤の治療中に、何もわからず、尋ねる人もいない中で、ただ夢中でウィッグを買い求めたことや、その頃の体調や生活の様子など、覚えていることをひとつひとつ。

髪が全て抜けるという体験。心を閉ざしたくなる事実。今もそのことでショックに打ちのめされている方がどこかにいらっしゃると思います。

そんな時、少し前を行く先輩の患者さんの存在、お話はどんなに心強いことでしょう。

「いろいろあったけど、何だか忘れてしまっているわね」笑顔でそう話されました。当時の辛い時間も、思い出も、2年の月日が柔らかく包み込んでくれているようでした。今、笑顔でそう言えること。それが、今生きているということ。何より素敵で幸せなことかもしれませんね。

ハートプレイスにあの時行っていなかったら・・・と、仲間の存在、語り合える誰かががいることの大切さを、ストレートに言葉で伝えていただきました。

“”仲間が存在するということは、それだけで人を勇気づける""

がんサロンの存在価値がそこにあると思います。


先日、2日間に渡って日本橋で開催されたJCF(ジャパンキャンサーフオーラム2017)に行ってまいりました。

ブースを出展されていた、アロマとハーブでつながる乳がん患者会『ASHARE』様より、リサイクルウィッグを4点譲っていただきました。

ありがとうございました。ただいま企画中のウィッグの試着会・カットモデル&勉強会で大切に使わせていただきます。


【天野】

第52回 平成29年7月23日(日)

7月~8月の暑い盛りに、一面に広がる青田の光景。風が吹くと、ドミノ倒しのようにいっせいに揺らぎ、まるで生き物のように動くその揺らぎを見ていると、心が清々とします。私はこの青田の輝く黄緑色が大好きで、毎年この時季が来ると、『青田を眺める』というのが楽しみのひとつになっています。

サロン開催日の今日も、会員さんを駅までお送りした帰りに、一面黄緑に輝く青田に目がとまり、車から降りてしばらく眺めていました。すると、普段目にもとまらないネコジャラシや、子供の頃に夢中になって捕まえたバッタにも出会い、鳥のさえずりが心地よく耳に入ってきました。サルスベリの木は、真夏のこの時季に満開のピンクの花を咲かせるのですね。慌ただしい日常では見ることも、感じることもない感覚を、休日の今日、少し取り戻すことができました。会員の方とお話させていただくたびに、命があること、そして命には限りがあること、そんな生きることの原点に立ち返ることができるような気がします。

1日1日を大切に生きる。

生かされているということを実感する。

今日1日、無事に過ごせたことに感謝する。

命は長さではなく、その人がどう生きたかということ。

サロンのティートークの中で出た言葉を書き出してみました。がんという病を経験したからこそ出てきた言葉なのかもしれませんね。


毎日家族7人分の食事の支度をしている会員の方がいらっしゃいます。サロンがある今日は、同居している娘さんが夕飯にハンバーグを作ってくれるそうです。そんなふうにサロンに送り出してくださるご家族にも、心より感謝申し上げます。有り難うございます。

近所の小さなハス畑の花が咲き始めました。花の中でも、ハスの花が特に好きな私は、この時期は朝からワクワク。朝の通勤時の楽しみになっています。

毎年お盆になると、母とお寺の盆法要に行っていました。このお寺にはお盆の頃、スイレン鉢に植えたハスがいくつも咲いて、母とそれを楽しみにしていました。5年前に亡くなった母もハスの花が大好きでした。

母の納棺の時に、そのお寺のご住職が母の足元にそっと入れてくださったものがありました。それはお寺で毎年咲くハスの花の種だったのです。母が好きだったことを覚えていてくださって、旅立ちの日に、母の足元に入れてくださったのです。

「お母様がお好きだったことを思い出して、おさみしくならないように足元へ入れさせていただきました」ご住職の何気ないこのお心遣いに、涙が止まらなかったことを思い出します。ハス畑を見ると、そのほとりを母が楽しそうに歩いているような、そんな気がしてなりません。

お近くを通ることがありましたら、ぜひ小さなハス畑のお花見をしていってくださいませ。


【天野】

第51回 平成29年6月25日(日)

梅雨空の1日。去年の6月は、ハートプレイスのいつも真ん中にいてくださった方の旅立ちがありました。ご自分らしく、そしてご家族を大切にされ、生き抜いた方でした。サロンで涙が出るほど一緒に大笑いしたあの時の時間や、その方の笑顔は、私たちの心の中に生き続け、消えることはないのだと思います。

今日、その方のお宅を訪ねると、庭に鉢植えにしたナスがが元気に育っているのが見れました。ご主人が植えたものだそうです。いくつも花をつけ、凛としたつややかな実がもうなっていました。その鮮やかな紫の花のひとつひとつが、生命力にあふれ、まるでその方がそこに咲いているような、そんな不思議な気持ちになりました。季節の花や風になって、ご家族をそっと見守ってくださっているようなそんな気がします。

6月18日の日曜日、横浜市オストミー協会さんのピアサポーター研修に講師としてお招きいただきまして、行ってまいりました。

1時間講話させていただくのは初めてでしたが、スライドも使わずに、ただひたすらお話しさせていただきました。

あるオストメイトの方との出逢いが、きっとこのような思いもかけない日本オストミー協会さんとのご縁に繋がったのだと思います。❛❜人生とは出逢い❛❜といいますが、本当だなあとしみじみ思います。横浜市オストミー協会でいつもピアサポートにご尽力をされている皆様との出逢いに、心より感謝申し上げます。

オストメイトとはがんや事故などにより、消化管や尿管が損なわれたため、腹部などに排泄のためのストーマを造設した方のことです。オストメイトのマークはなかなか周知されていないため、この機会に覚えていただけたらと思います。

そして今年の3月22日から、神奈川県でもヘルプマークが導入されました。配布場所は県のホームページに掲載されていますので、必要な方はご確認ください。

来月のサロンの頃はきっと梅雨も明けていますね。この時期のアマガエルの元気な鳴き声も私は大好きです。

ストレッチやウオーキング、アロマや美味しいものを食べることなど、自分なりに心地よいリフレッシュをして、梅雨の時期を少しでも快適にお過ごしください。元気を回復させるのは『寝ること』『笑うこと』も大事ですね。


【天野】

第50回記念 湘南がんサロン『コクア会』さんとの合同企画    お寺サロン  平成29年5月14日(日)


5月の母の日。第50回開催記念ということで、今日は湘南がんサロン『コクア会』さんとの初の合同サロン。茅ヶ崎市南湖にある金剛院さんでのお寺サロンに参加させていただきました。

昨日の雨も上がり、金剛院の門をくぐると、正面に本堂があり、右手には故人のお墓が見えます。庭に植えられた高野槇(コウヤマキ)が今日も私たちを出迎えてくれています。毎回この門をくぐるたびに、どこか別空間に来たような気持ちになります。

1年半前のお寺サロンで、ご住職がわざわざ高野山から取り寄せてくださった高野槇の枝葉を、帰りに皆に持たせてくださったことを思い出します。あの時の高野槇の枝葉は、水にさしておいただけで、1年3ケ月も我が家で凛とした姿で生き続けてくれました。木の生命力に私は驚き、今思うと、その姿に何か神聖な尊いものを見ていた気がします。

読経のあと、ご住職が黒板を使って「くしゃみ」「銀シャリ」「カルピス」この3つ言葉の由来をお話ししてくださいました。なんとこれらは仏教用語だそうで。銀シャリの「しゃり」はインドの仏教用語で、「舎利」のこと。「舎利」とはお釈迦様の骨のことだそうです。ピカピカに光ったお米を「銀シャリ」と呼ぶのも、なるほど尊いものであることがこれで繫がりますね。語源というのはこうして知ると面白いですね。とても興味深いお話を聴かせていただきました。

お寺サロンに参加させていただくのは、実は今回で6回目になります。「場」の持つ意味を、金剛院さんにお邪魔させていただくと、あらためて感じます。そこに居るだけで、何故か心が落ち着く。肩の力を抜いていいんだよ。あなたはあなたのままで尊いのだから。そんな声なき声が聴こえてきそうな、そんな空間です。

主治医に本当の気持ちを言えますか?疑問や不安を抱いていても、患者の立場になると、それをストレートに主治医に言うことができなくなってしまう。

ウィッグの話題も出ました。病院の外来や病棟には、高額の医療用ウィッグのカタログしか置いていないこと。生まれて初めてがんに罹患し、脱毛を経験することになった患者さんは、それを手にするしか術がないこと。抗がん剤の治療中に、脱毛がが始まるとすぐに金髪に染めて、床に落ちる髪を少しでも目立たなくしていたという方もいらっしゃいました。安価で買えるファッション用ウィッグをいくつも用意し、周囲にも気づかれずに仕事を続けていたそうです。容姿変貌に落ち込む方も多い中、病気になっても、自分らしく、❛❜自分スタイル❛❜を見つけて生きるその姿は素敵で、カッコイイですね。こうした経験をシェアできるのが、がんサロンのひとつの大きな魅力だと思います。

医師は病気を診る人であり、目の前にいる患者さんの生活までは見れない。けれど患者さんにとって生活は、実はとても大切な日常なのです。

現実的に医師にそこまで望むのは、無理なこともわかります。だったら、がん患者さん向けの『生活科外来』じゃないけれど、それほどお金がかからない、治療中でもそこそこ快適生活が送れる、知恵や工夫を教えてくれる場があっても良さそうなものだと思うのです。それも無理なら、患者会やがんサロンの大切さ、何故必要か、医療に身を置く方々に心底理解していただきたく思います。

コクア会の『コクア』とはハワイ語で、❛❜手助けする❛❜という意味だそうです。コクア会を地域の中、ここ茅ヶ崎に立ち上げてくださった引野先生の志に心より感謝申し上げます。

今日は横浜から、がんサロンの開設に向けて3名の看護師さんたちが見学に来られていました。初めての場で、何を感じてくださったでしょうか。良いものを持ち帰っていただけたら嬉しく思います。

来月の6月15日は弘法大師様のお誕生日を祝う日だそうです。1ケ月早いですが、ご住職のお計らいで甘茶をいただきました。アマチャヅルの葉の分量を丁寧に測り、朝から時間をかけて煮出してくださった甘茶です。初めていただいたという方が多いのに驚きました。子供の頃の私は毎年お釈迦様の花祭りで、お祝いの甘茶をいただくのを楽しみにしていました。懐かしい味がしました。

帰りには弘法大師様にひとりひとり甘茶をかけ、素晴らしい切り絵をお土産にいただきました。

金剛院のご住職様はじめ、関係者の皆様、あたたかいおもてなしを本当にありがとうございました。青葉の季節にふさわしい良い時間を過ごさせていただきました。

本日ご参加いただいた皆様、有り難いご縁に心より感謝申し上げます。またお会いする機会を楽しみにしております。

ご都合でお寺サロンに参加できなかったハートプレイスの会員の皆様にも、ぜひいつか参加していただけたらなあと思います。


【天野】

第49回 平成29年4月23日(日)

真夏のような日があったかと思うと、また朝晩冷え込んだりと、気温の差が激しい季節ですね。

皆様、体調を崩したりしていませんか?

今年は桜の開花も随分遅れましたね。今は、八重桜が満開です。子供の頃、我が家の庭には八重桜の木があり、その横には栗の木もありました。栗の木の横には鉄棒があり、その横にはチャボ小屋があって、その後ろには母が作っていた野菜畑がありました。一戸建ての平屋の、広い庭つきの社宅でした。

今思うと、随分贅沢な社宅に住まわせてもらったなと思います。その頃は、家には電話もなければ、カラーテレビもありませんでした。物質的には決して裕福とは言えませんでしたが、豊かな自然がすぐ手の届く所にありました。毎朝、チャボ小屋に、産みたてのタマゴを取りに行くのが私の役目でした。それを炊き立てのご飯にかけて食べて、学校に行きました。逆上がりの練習ができる鉄棒があり、季節の草花や泥のお団子で遊べる天国のような庭でした。ご近所付き合いも活発な時代でした。醤油や味噌が足りないと、お隣のおばさんの家に走って行って、「おばちゃん、お味噌を少し分けてください」なんて借りに行ったものです。

先日、お隣さんに回覧板を届けに行ったら、北海道からジャガイモが届いたからと、頂いて帰ってきました。そしてその数日後には、私が仕事から帰って来ると、お向かいさんが出て来られて、「ちらしを作ったから食べて」と、五目ちらし寿司と出来立てのポテトサラダ、旬の竹の子の煮物に、キャラブキまで添えてくださったのです。昔と変わらないあたたかいご近所付き合いがここにはあるんだなあと、あらためて感動。父と母の仏壇にお供えし、私もご馳走になりました。自分のことを気にかけてくれる方がいるということは、それだけで、有り難く、嬉しい気持ちになります。

何か失敗したり、苦しい時、辛い時、病気の時もそうですね。自分のことをただ心配してくれたり、気にかけてくれたり、何だか元気がないな・・どうしたのかな・・とそんなやさしさが、落ち込みや、先の見えない不安をそっと包んでくれる気がします。

さて、今月のサロンは春のランチ会。会員さんおすすめの茅ヶ崎のイタリアンのお店に行ってきました。パスタランチの地魚のトマトクリームソースを注文すると、そのお魚はなんとシェフが釣ってきたものだそうで。さすが海辺の町、茅ヶ崎。そしてこの時期限定の、ウニのレモンソースはもう激うまでした。美味しく頂きました。お店の方、ご馳走様でした。最高の最幸でした~\(^o^)/

今日の語りは❛❜家の建て替え❛❜に始まり、終わったというぐらい、建て替え話になりました。我が家も築40年以上たつので、そろそろ考えなくてはと思っていたところに・・・先週、玄関の天井の壁がぽろぽろ剥がれ落ちているのを発見。中は空洞。雨風に当たれば更に傷むと思われます。これは大変!修理しようか、いやあっちもこっちもだな。そんなタイミングで建て替えの先輩にいろいろお話を聴くことができました。これからは、休みのたびに○○ハウジングプラザに通うことにします!(笑)先輩も付いて来てくれるとのことで、心強い限りです。

皆様、どうぞ春~初夏のこの新緑のまぶしい季節を楽しんでお過ごしくださいませ。


【天野】

第48回 平成29年3月26日(日)

季節が冬に逆戻りをしたような、小雨の降り続く寒い1日となりました。せっかく開いた桜も、この寒さで縮こまってしまいそうですね。

本日は67歳の女性のご自宅にお邪魔させていただきました。

お母さまをご自宅で24時間介護なさっている方です。市の健診のマンモグラフィーの検査でひっかかり、自宅近くの病院にいき、再検査。エコー検査をしたところ、石灰化した部分は問題ないが、一部血流が悪くなっているところがあるのが気になる。そうお話があったそうです。精密検査をするならば、手術のできる病院でしたほうが良いとのことで、紹介状を書いていただき、乳腺外科を受診。

乳がんの診断がおりたら、母をどうしよう・・・それだけが気がかりだったそうです。今まで67年間、無事に過ごせてこれたのは本当に有難いことで、この年で病気が見つかってもおかしくはない。ただ母を見送るまでは元気でいたい。そんな思いを聴かせてくださいました。

私も乳がんの治療をしながら、自宅で母の介護をしていました。手術のために入院をするのに、姉に泊まり込みで来てもらい、家のことと、母の世話をしてもらった経験があります。自分にもしものことがあったら・・・母はどうなるのだろう・・・。そんなことをやはり考えていました。

この方の思いが痛いほど伝わってきます。組織診(針生検)をしてから結果が出るまでは毎日、亡くなったお父様の仏壇に、「父さん。母さんを最期まで、私が元気でみれますように・・・」そう祈り、手を合わせていたそうです。

病理検査の結果は問題なし。悪性度はなしの結果でした。

初診の検査の日は時間もかかるため、お母さまを1泊のショートステイ利用でみてもらったそうです。実は、このショートステイの利用は、最悪のことにも備えて、お試しを兼ねての利用だったそうで、初めて使ってみたと話されていました。

がんに罹患する方の環境は様々で、自分ひとりの問題ではなくなってきますよね。

組織診を施工後、入浴の制限や、体を無理に動かさないように言われ、お母さまを介護していることを医師に伝えると、「大丈夫よ」と言ってくれたそうです。

その言葉にとても安心した。結果もわかりやすく説明してくれて。話し方は早口でさばさばしているけれど、どこか温かみのあるいい先生だなあと思えた。その先生に診てもらえて良かった。そうお話ししてくださいました。

先日、告知後の2回目の受診で、「こういう場合は、もう治りませんから」と医師に言われた方がいました。

告知だけでもショックを受けているところに、❛❜治りません❛❜という言葉。その方はひどく動揺し、電話をくださいました。結局、ご自身で病院を変え、今は地域のクリニックとも連携をとりながら、術後のフォローをしています。

医師との出逢いも、がん治療をする患者にとっては、とても重要なことです。そこに良いコミュニケーションがなければ、気持ちも折れてしまいますし、その人の生きる力、治る力にさえ影響を及ぼすのではないかと思うこともあります。

医療では埋められない部分を、ピアサポートなどを通して、支えていけたら良いなあと思います。

❛❜仲間が存在するということは、それだけで人を勇気づける❛❜そう信じています。

今日、お話ししてくださった方のように、健診でひっかかってしまったけれど、結果オーライだったという方とも、こんなふうにつながれて、大変嬉しく思います。


☆下の写真はご自宅に伺ったときに出して頂いた、きのこのお吸い物と、九条ねぎとアオヤギのぬたです。

 料理上手なこの方は、実は昨年サロンに手作りのオレンジピールを差し入れしてくださった方です。

 美味しかったです~。ご馳走様でした。


【天野】

第47回 平成29年2月26日(日)

庭に出ると、どこからともなく甘い香りが・・・ロウバイが終わり、この甘い香りの主は【沈丁花】でした。今年もたくさん咲いてくれました。父が大切にしていた庭は、父が亡くなって10年経っても、変わらずに花を咲かせ、季節の移り変わりを知らせてくれます。花言葉は、「栄光」「不死」「不滅」「永遠」。

大切なサロンの仲間が旅立ちました。

彼女と初めて会った時、こんなことを話してくれたのよ。

彼女とこうして、あの日も後片付けをして、テーブルクロスを一緒にたたんだの。

いつもおしゃれをして、素敵にメイクをして、サロンに来ていたことを思い出します。今日、皆さんの言葉を聴いて、感じました。彼女は沈丁花の花言葉のように、「永遠」に私たちの心の中に咲き続けるんだなあと。

身体の痛むところがあっても、重たいテーブルを一生懸命運んでくれた彼女の頑張り。指先がしびれて肩も上がらない時にでも、サロンの荷物を持って階段を上り下りしてくれました。人の役に立つことをしたい。誰かの役に立ちたい。

彼女の生きる希望がきっとそこにあったような気がします。自分のできることをいつも考えて、何かを見つけていました。彼女から頂いたかわいいイラスト入りの手紙やカードには、彼女の思いがたくさん詰まっています。

そして彼女が最期に書いたメッセージ入りのクリスマスカードは、難病で24時間ベッド上で生活をしている私の同級生に宛てたものでした。喜んでくれたら嬉しいなあと願いながらきっと書いてくれたのでしょう。

溢れる思いを、うちに来て9時間も10時間も話してくれた彼女。きらきら輝く瞳で、こんなこともしたい、あんなこともしてみたいと、夢や希望を語ってくれました。

再発のたびに夢が打ち砕かれても、また小さな希望を見つけて、生きるエネルギーに変えていった彼女。

不器用だけれど、最期まで彼女らしく生ききった、その人生の閉じ方に、深く心を揺さぶられました。


あなたに出逢えて良かったあなたの輝く時間の中で一緒に過ごせたことを、心から幸せに思います。

ありがとう。

私たちは永遠にあなたのことを忘れません。これからもずっと共に。


あなたが心配をしていた新しい会員さんが、30回の放射線治療を無事に終えましたよ。

今日、笑顔で報告をしてくれました。頑張りました。安心してくださいね。


皆さんの笑顔の中に、あなたがいるのを感じました。


【天野】

第46回 平成29年1月22日(日)

冬晴れの1日。

風が強く吹いていますが、お天道様の日差しは暖かです。

今年も庭のさざんかとロウバイがきれいに花を咲かせてくれました。

亡くなった父が盆栽で楽しんでいたロウバイの鉢を、5年程前に地植えにしたところ、枝をぐんぐん伸ばし、今では私の背丈よりも大きく育ちました。ロウバイの花言葉は「ゆかしさ」「慈しみ」だそうです。まだ花の少ない冬の時期に、そっと黄色い花を咲かせるロウバイの、ひかえめで奥ゆかしい姿にちなんでつけられたものとか。

サロンにも枝を切って持って行きました。何とも言えないいい香り。

さて、今月は乳がんに罹患したお母さまのことを気にかけ、その娘さんが参加してくださいました。娘さんは大学に通うため、単身で湘南に出てきているそうです。

私ぐらいの年代になれば、親が病気になり、介護をするという話は珍しくもありませんが、まだ大学生の彼女の周りには、同じような境遇の方はいないとのことでした。ホームぺージを見て、連絡をしてくださり、参加してくださいました。

ハートプレイスでは、患者さんご本人はもちろん、ご家族や、ご友人のご参加も歓迎しております。

初発の告知よりも、ショックだったと、お母さまから告げられた時のことを娘さんは振り返ってお話してくださいました。真実を伝えたお母さまのお気持ちもいかばかりか。

現在、お母さまはリハビリ入院中とのことです。お酒が大好きだそうで、また歩けるようになって、大好きなお酒が楽しめるようになるといいですね。

サロンのあとに初参加の感想をメールで送ってくださいました。

「今日はサロンに参加できて良かったです。乳がんを経験している方たちのお話を聴くことによって、私も励まされました。また、治療以外のお話もでき、楽しかったです。」

こんな感想は何より嬉しいです。学生さんらしい卒業旅行の計画や、大ファンという観劇のお話もしてくださり、こちらまでワクワク楽しい気持ちにさせていただきました。

病気だけにとらわれることなく、どんな時も楽しみや、小さな幸せを見つけていきたいものですね。

昨年の5月から参加してくださっている会員さんが、

「今日初めて、地毛で来ました!(*^^)v」と、ずっと付けていたウィッグを外してサロンに来てくださいました。黒のベレー帽がとてもよく似合う素敵なヘアスタイルでした。病気をしたことで初めて、命には限りがあることを意識した。だからこそ今までの自分のままではなく、これからは目標を持って、一つ一つそれをクリアしていきたい。

こんな素敵な言葉をさらりと言えるようになりたいものですね。サロンには輝いている人生の先輩がいらっしゃいます。来月にはご主人とイタリアの旅に出かけるそうです。お土産話を楽しみにしています。

皆さんどうぞ暖かくしてこの冬をお過ごしくださいませ。

【天野】

第45回 平成28年12月11日(日)

外は晴れていますが、きんと冷たい空気。真っ青な空に雪をかぶった富士山の姿が今日はくっきりとよく見えます。

寒くなりましたね。靴下をはいても足の先が氷のように冷たくなる私はしもやけ対策をこの時季からやり始めます。1日の終わりに湯船の中で足指を1本ずつ丁寧にマッサージ。湯上りに血行を良くするクリームを塗り、ストーブで温めておいた靴下をすぐにはくということをしています。その年によって冬の寒さも違い、これでしもやけが改善されると断言はできませんが、私にとってはかかせないしもやけ対策となっています。

おすすめのしもやけ対策がありましたら、ぜひ教えてください。

さて、12月は第2日曜日をハートプレイスの忘年会とし、サロン会場を少しだけクリスマスバージョンにしました。

クリスマス用のテーブルクロスを敷き、壁にはタペストリーを飾りました。いくつになってもクリスマスグッズを見るとワクワクしますね。

差し入れにいただいた煮物のタッパを開けたとたん、皆さんから「わあ!」と歓声があがりました。具沢山で数えたら8品も入っていましたよ。煮物はおふくろの味の代表作。ほっとするあたたかいおふくろの味の差し入れを本当にありがとうございました。

今日のサロンはネコ好き集合といった感じの楽しいネコ話が聴けました。ネコはよく獲物をくわえて持ち帰って来るのですが、モグラにムカデ、あげくの果てにヘビまでも~!この時はさすがにまいりましたとお話してくださった方がいらっしゃいました。そのヘビを部屋から追い出すのがまたひと苦労。必死でほうきで外に追いやったそうです。

それでもやはり動物は癒しの力があるようで、何も言わないけれどただそばにいてくれて、涙を流すことができた。愚痴や泣き言をいっぱい聴いてもらった。そんなお話もありました。会話はできないけれど、動物には対話する力があるのではと思う時があります。私たち人間にはまだまだ未知の世界が沢山ありますから。

がん体験者の皆さんは、まさか自分ががんになるなんて思ってもみなかったと口をそろえておっしゃいます。私自身は告知のショックというよりは、自分もがんになるんだという驚きのほうが強かったです。がんと自分は無関係だと思い込んで生きてきました。

「乳がんに罹患して初めて、自分の命が有限であることを意識しました。」

今日のサロンでこんなお話がありました。これはとても大切な気づきです。健康で過ごしていると、なかなかそこに意識がいくことはないのでないでしょうか。これは私の感覚ですが、がんという病は死生観をより豊かにするものでもあるように思えてなりません。絶望の果てに見えるものがきっとあるように、私たちは死を意識した時、死を通してはじめて生の見方が変わるのではないかと思います。

印象に残ったお話がありました。

「私ね、やっと美容院に行けたの。抗がん剤の治療が終わって1年半ぶりに。ああ私、美容院に来れるようになったんだって思って。ここまで来れたんだなって。私生きているんだなって。美容院に行ってそう感じたの」

抗がん剤の治療で脱毛が始まってから、美容院に行くことができなくなってしまった。人前でウィッグを外すということはどんなに勇気がいることでしょう。夜遅くに宅急便が届いても、外出用の帽子を急いでかぶって玄関に出て行っていたそうです。ある程度髪が生えてきても、生え方がふぞろいだったりしたら、実はがんの治療で・・・と美容室の鏡越しに説明をしなければならないのです。 プロのへアスタイリストさんの目から見たらすぐにわかるものなのかもしれません。それでも患者さんはどんなふうに見られるかとても心配なのです。何をどう聴かれるか、不安でたまりません。そのひとつひとつのプロセスを想像するだけで足が遠のいてしまいます。

1年半経ってやっと扉を開いた時の気持ちがお話から伝わってくるようでした。美容室という空間は女性をきらきら輝かせてくれる空間でもありますね。まだまだウィッグのカットを専門で扱う美容院や、気軽に試着をさせてくれるサロンが少ないので、病院内にひっそりとではなく、街中に堂々と増えていって欲しいと切に願います。

【天野】

第44回 平成28年11月27日(日)

13:30~16:00 寒川町小谷地域集会所 2階和室

ご近所の方が色とりどりの落ち葉をほうきでかき集める音を聴くと、ああ冬が来たなと感じます。私の子供の頃はご近所同士でよく落ち葉焚きをしていました。その焚火の中にアルミホイルで包んだサツマイモをぽんぽん投げるように入れておくと、遊んで帰って来た頃にはほくほくの焼き芋が出来上がっていました。おいしいね、うんおいしいねと焚火にあたりながら食べたものです。

『たき火』という童謡がありますが、これは寒さの厳しい地方の歌ではなく、東京で生まれた歌だそうです。日本の童謡は素晴らしい作品がたくさんありますね。


♪~かきねの かきねの まがりかど~♪

たきびだ たきびだ おちばたき

あたろうか あたろうよ

きたかぜぴいぷう ふいている


さざんか さざんか さいたみち

たきびだ たきびだ おちばたき

あたろうか あたろうよ

しもやけおててが もうかゆい

時代は変わり、今では焚火も禁止されてしまいましたね。昔は町内会などの地域コミュニティが活発で、焚火をし合える共同体のようなあたたかいつながりが、そこここにあった時代だったように思います。

さて、朝晩ぐっと冷え込むようになり、日もめっきりと短くなりましたね。皆さん、風邪などひいていませんか?

外の寒さなど忘れるくらい、そして時間の経つのも忘れるくらい、今月も話題がつきないティートークになりました。ひとりひとり乳がんの大きさも違えば、できた部位も異なる。検査の仕方も違えば、切除手術のメスの入れ方も全員違う。私はこう切って、ここのところはこう切って。へえ、私はここからこういうふうに切ってあるの。だから脇の下のところに脂肪がたぷたぷしちゃって、それをこう前にもってきて、もう大変なのよ。それわかるー。(笑)(笑)

術後のセルフケアや工夫も、同じ乳がん治療を体験した仲間には気兼ねせずに話せますね。そして大変なことも笑顔で話せる。

ブラジャーやウィッグに関しては、皆さんそれぞれが自分なりに工夫をなさっており、いろいろな体験談をシェアしていただきました。今だからこそこんなふうに考えられるけれど、抗がん剤で脱毛した当時は何の知識もなく、何十万もするウィッグを買ったこと。アドバイスをしてくれる人もいなかったこと。髪を失うことの衝撃やショック・・・そしてようやく髪が伸びてきたら、今度は毛質や不揃いな生え方に再び戸惑う日々。ウィッグのはずし時は、自分で納得したうえで決めることですものね。そのこだわりに、女性らしさやその方の表現力を感じます。”私が私であること”。皆さん本当にきらきら輝いています。

術前や抗がん剤治療前に、ブラジャーやウィッグの話を同じ体験者から聴ける機会があると良いと常々思います。ためになる情報の入手は治療をしていくうえでも、生活をしていくうえでも大切になります。これからもサロンで皆さんとシェアしていきたいと思います。

今月皆さんがいっせいに声を大にしたのは、乳がんのサブタイプのひとつ、「トリプルネガティブっていうこのネーミング、何とかならないかしら!!」でした。ネガティブとトリプルの組み合わせのこのネーミングに、どうにも気持ちまでネガティブにもっていかれてしまうというご意見。告げられる患者の気持ちにもなって欲しいものです。

今流行の言葉、○○ファーストを引用すれば、患者ファースト。この視点が医療を提供する側に欠けてはならないと思います。

【天野】


サロンに飾ってくださいとハートのカゴに入ったポインセチアをいただきました。

あたたかいお気持ちに感謝致します。ありがとうございました。

↓↓↓

第43回 平成28年10月23日(日)

13:30~16:00 寒川町小谷地域集会所 2階和室

木々も色づいて、ようやく秋も深まってきました。実りの秋。我が家の庭の柿も先日収穫しました。小ぶりですが、ごまがたっぷりのなかなか甘い柿です。

これは10年ほど前に、美味しい、美味しいと言って食べた柿の種を、庭の隅っこに蒔いておいたのです。そうしたら芽が出て、頼りないひょろひょろの1本の苗木となりました。成長し、8年目には立派に実りました。桃栗3年、柿8年と言いますが、本当だなとその時思ったものです。

さて今年も残すところ2ケ月余りとなりましたね。

10月は【神無月】とも言いますが、この語源はこの時季に出雲の国に全国の神々が集まり、諸国に神が不在になることからという説があります。反対に出雲の国では【神在月】(かみありつき)と呼ぶことを、つい先日出雲出身の方から聴く機会がありました。

年に一度、出雲大社に集まった神様たちは、ひとの運命や縁、来年の天候、農作物や酒の出来などを話し合われているそうです。

ハートプレイスで繋がった皆さんとも、もしかしたらこの神様の会議でご縁をいただいているのかもしれませんね💛( ^^) _~~💛

今月は新規の方を1名お迎えしてのティートークとなりました。

告知をされたばかりというお話でした。治療もまだ決まっていない段階のこの時期の不安や動揺を、先輩の会員の方々が、うん、うんとご自分の経験と重ね合わせるように聴いてくれています。

検査結果が出るまでのあの落ち着かない気持ち。何かあったらどうしよう・・・不安で胸が押しつぶされそうになります。世の中の人が、何の悩みもなく、みんな健康で幸せそうに見えます。自分だけがモノクロの世界にポツンと取り残されたような、何とも言い表しようのない気持ちの中で、≪がん≫というふた文字が重くのしかかってきます。

「あれこれ考えても、もう任せるしかないんだから、大丈夫ですよ」「気になることを紙に書いて、心配なことはまず主治医に聞くことが大事だと思いますよ」「治療が決まると、それに向かって気持ちも安定して、その治療をひとつひとつこなすことで、また頑張れると思います」「私は病理が出る前の画像診断の段階で、がんですって言われて・・・」とそれぞれが当時の自分をたどり、ショックの中にいる新しいお仲間に、自分もこうだったのよと語りかけます。

会員さんのおひとりが、私はとにかく外に出て歩いていましたとお話してくださいました。そうしたら、周りから元気そうにしているじゃないと言われて・・・でもそれは違うんですよ。家の中にひとりでいたら、どうしても考えてしまうじゃないですか。だから外に出ようと思ったんです。

皆さん、心の乱れや、落ち込み、脱毛による容姿変貌等々、様々な治療体験を経て、今ここにこうしていらっしゃるのだなあとあらためて思いました。

トリプルネガティブの患者会に参加してきた方が、10年、15年と共存している大先輩の元気な姿に、生きる勇気、力をいただきました。行って良かったです!と報告してくださいました。こうした思いをシェアしていただくことで、また私たちも力をいただきますね。

これからも、分かち合えるこの時間を大切に大切にしていきたいと思います。

どうぞ皆さん、風邪に気をつけて、秋を楽しんでくださいね。


天野

第42回 平成28年9月25日(日)

13:30~16:00 寒川町小谷地域集会所 2階和室

雨降りばかりの天気の悪い日が続いていましたが、今日は雨も上がり、夏の暑さを感じる1日となりました。お天道様の大切さがこう雨が続くと余計に感じられますね。

サロン会場に着くと、どこからともなく甘い香りが。くんくんと匂いをたどると、金木犀の垣根がありました。毎年のことですが、金木犀の花の香りは秋の訪れを感じさせてくれます。中国を旅してきた友人からおみやげに「桂花茶」を頂いたことがあります。金木犀の花がお茶にも利用できることを、その時初めて知りました。

今月も様々なお話が出ました。ホルモン療法を受けている最中のホットフラッシュや関節のこわばりや痛み。私もそうですが、更年期も重なり、どこまでが薬の副作用なのか、よくわからない。ホルモン療法に関するアンケートにも載っていましたが、気分の落ち込みや不眠を訴える方もいるそうです。

患者にとっては辛い症状ですが、それらは血液検査で数値として表れるわけではないので、なかなかその辛さをうまく伝えることができなかったり、過小評価されがちです。また短期間の服用ではないため、経済的な負担も大きいというのが患者の切実な思いです。

副作用は個々に違うため、一人で悩むケースも多いと思います。乳がんの治療には化学療法、放射線療法、ホルモン療法がありますが、それぞれ副作用があり、軽くてすむ方もいれば、重い副作用に苦しむ方もいます。

自分だけで抱えていた不安な気持ちや気になる思いを、誰かひとりにでも話せたら、少し気持ちが楽になるかもしれません。「そうそう。ほんとにそう」と、今日もそんな分かち合う場面が何度かありました。 皆さんのお話や表情のひとつひとつに力をいただいた時間でした。

天野

第40回 平成28年7月24日(日)

13:30~16:00 寒川町小谷地域集会所 2階和室

7月下旬だというのに、今年は梅雨明けが遅れていますね。7月は和名で【文月】(ふみづき)とも言います。この名称の由来は七夕の行事が広まった際、短冊に願事の文(ふみ)を書くからと言われています。また稲の穂が含む月であるため、【穂含月】(ほふみづき)、【含月】(ふくみづき)からの転とする説もあるそうです。こうした語源も調べてみると、日本ならではの風情を感じるものがありますね。

さて今月も暑い中、町内外から皆さまにお越しいただきました。寒川町小谷(こやと)というアクセスの悪い地域での開催で、皆さまには大変ご不便をおかけしております。

今月は10名の方にお集まりいただきました。 先月、ご主人も付き添いで一緒に初参加をしてくださった方が、サロン終了後に「行って良かったね」と二人で話していたんですと教えてくださいました。

「まだ2回目なんだけれど、もうずっと前から来ているような気がする」と笑顔で話してくださった方もいらっしゃいました。有り難いですね。足を向けて来てくださる皆さまに感謝です。

夏のお菓子として、さっぱりとのど越しの良い柑橘系のゼリーを今月もご用意しました。 我が家の庭で作ったミニトマトは、朝採って、洗って冷やして、ザルのまま。(笑) 会員の方が自家製の漬物を持って来てくださいました。夏野菜の代表であるキュウリ、オクラ、ミョウガのぬか漬けは最高のお味でした。ご馳走さまでした!(^^)!

ここに居る時はこうして元気になるんだけれど、サロンが終わって家に帰るとまた気持ちが落ちてしまう・・・私もそう。そんな意見もありました。 サロンの中では自分も前向きに頑張ろうと思う。ひとりで抱えていた不安な気持ちを分かち合える仲間がいて、誰にも言えなかった病気のことを気兼ねなく話すことができる。安心して話すことのできる場が、社会の中はもちろん、家の中ですらないと感じる。健康な人にはわかってもらえない。孤独を感じる。自分だけがモノクロの世界にいるような、ぽつんと取り残されたような感覚。お笑い番組を見る気持ちにもなれないし、見ても、心から笑えない自分がいる。眠れない。動悸がしてくる・・・そんな心身の不調も、私もそう。うんうん、わかると、共感してもらえる仲間の存在は本当に大切であり、必要だということを、皆さんが教えてくださいます。

 乳がんは手術をして悪いものを取ってしまえばそれで終わりではない。5年、10年と治療にとても時間がかかるのです。その長い治療中、たったひとりで不安を抱えながら生きていかなければならない。 不安が強い時にはお薬の力に多少助けてもらいながら、自分の気持ちをじっくり聴いてもらうことや、安心して自分の病気について話すことが、何よりの緩和ケアになると私は思っています。

緩和ケアは人生の最終段階に入った方が受けるケアではありません。がん告知を受けた時から受けられるものです。がんサロンでのピアサポートをぜひ体験してみてください。

ハートプレイスが乳がん体験者やそのご家族の皆さまにとって、心が少しでも軽くなる、憩いの場になればと思います。これからもどうぞよろしくお願い致します。   【天野】

第38回 平成28年5月22日(日)

13:30~16:00 寒川町小谷地域集会所 2階和室

春から夏の日差しへと変わるような暑いくらいの日曜日。2階のサロン会場はカーテンで日よけをするほど。今年初めての冷房を入れました。

テーブルの上には季節を先取りした和菓子の水無月、好評の椎茸チップ、それに今回初登場のポン菓子が並びました。昔懐かしいポン菓子ですが、最近のポン菓子はお洒落になり、玄米に黒砂糖をかけたものや、生キャラメル味のマカロニのポン菓子まであるんですね。時代は変わりました。(笑)

我が家の庭に咲いたゲーテ・ローズという名のバラも飾り、ティートークの始まりです。

新規で参加してくださった方のお話を仲間の皆さんでうん、うんと頷きながら聴きました。

術前の抗がん剤治療が順調に進まずに不安の中で過ごした日々・・・治療の選択肢がない中、その唯一の治療がストップして前に進まない辛さ。このまま治療ができなかったら・・・拭い去ることのできない不安。どんなに心細かったことでしょう。

辛い治療を経験し、大変な思いをしてきた仲間だからこそわかる、先の見えない不安。また自分のことはさておき、目の前にいる治療真っ最中の方の話に耳を傾けるその眼差しは、仲間を思いやるあたたかさに溢れていました。

ネットで目に飛び込んでくる情報に戸惑い、がんになりやすい食べ物を避け、免疫力を上げ、再発しにくい体になると言われる食べ物を夢中で取り入れる。これは体に良くないからと、好きなものを我慢し、これも良くないと知り、避ける。もう何を食べたら良いかわからなくなる。その過程の中で、やがて自分で自分の体に折り合いをつけ、美味しいと思って食べることができるようになれば良いのではと思ったりします。

何が正解というのはなくて、ひとりひとり違って、そのすべてが生きるということなのだと私は思います。生きる時間の中にサロンがあり、ハートプレイスというホームで繋がり、お互いのエネルギーを渡しあう場になればと思っています。

今月お誕生月の会員さん、ウイッグを外したショートヘアは本当に素敵ですよ! またハンド&フットマッサージをサロンでしてくださいね~(*^^)v~

初参加してくださった新会員さん、愛犬ビッグチワワのお話をしてくださっている時の笑顔は今日一番に輝いていましたよ。抱っこできないくらいに成長したチワワの姿に癒されました~(^-^)~

ふたりの会員さん、後片付けの洗い物をありがとうございました。久しぶりに再会したふたりが共同作業の洗い物、後姿が楽しそうに見えましたよ~(*^^*)~

今月お休みされた方、体調が良くなることを皆で祈っています。

また来月、皆さんにお会いできるのを楽しみにしています!   【天野】

第36回 平成28年3月27日(日)

13:30~16:00 寒川町小谷地域集会所 2階和室

桜の季節到来。寒川の中央公園でも早咲きのピンクの陽光桜が満開になりました。 我が家のしだれ桃もこの暖かさで蕾が次々と開花。何年か前の強風で真横に木がなぎ倒されましたが、見事に復活してくれました。地に根を張って土壌中の養分を吸収し、光合成をし、春になると可愛い花を咲かせてくれる。植物の営みには感動させられますね。

人間の私も怠けてばかりいないで、頑張らねば!という気持ちになります。(*^-^*)

さて、今月のサロンは体調不良でお休みしていた方が久しぶりにお顔を見せてくださいました。サロンの会場は2階にあるため、階段を一段一段よいしょ、よいしょと上がって、フーと一息。元気になるのを皆が待っていましたよ。

半年ぶりの参加です。辛く苦しい時間の中にいたことを話してくださいました。病院へ行ったら即入院と告げられ、3週間のベッド安静から解放された時は足がたたなかったそうです。今はご主人をはじめ、ご家族に支えられ、在宅療養をしていらっしゃいます。

サロンも1時間程の参加で長い時間はまだ無理とおっしゃっていました。ところがです。

地域の昔話、土葬のお墓や葬儀の風習、赤ん坊が産まれたら地元の女衆が集まって、順番に赤ん坊を抱いては回す儀式があったことなど、その方ならではの経験知で語ってくださるお話に一同聴き入ってしまいました。

気がつけば2時間半が過ぎていました。

闘病経験のある仲間と一緒にいると、時間が経つのも忘れてしまいますね。サロンにはそんな力があると思います。

また来月、春の日差しが差し込むこの2階の和室でお会いしましょう。

ホームページを見てくださって参加してみようかしら~と心にとまった方、ぜひお気軽にお越しください。

お待ちしております!     【天野】

第35回 平成28年2月28日(日)

12:00~16:00 会員さん宅 ランチ会

寒暖の差が激しい日が続いています。インフルエンザも猛威をふるっていますね。今年は例年よりもピークが遅かったので、まだまだ流行が続きそうです。

そんな中、ハートプレイスでは初の試み、今月は会員さん宅でランチ会をさせていただきました。前回のサロンで「今度良かったらうちでどうぞ」と言っていただいたのが始まりで。お言葉に甘えさせていただきました。

初の【家中サロン】は、早春の陽が差し込むお部屋にこたつが置かれ、まるでサザエさんのお茶の間のような雰囲気の中でのランチ会となりました。 テーブルの上には炊き込みご飯に自家製のぬか漬け、煮豆に、メインは小籠包というご馳走が並びました。この小籠包は皮も厚みがあり、中の肉汁とのコラボレーションがまた絶妙で。ジャスミンティーとの相性もばっちりでした。

こたつでまったりしながらお茶を飲み、「はあ~し、あ、わ、せ」「このまま寝ちゃいそうだわ」等々、なんとも心地よい時間を過ごさせていただきました。 病気に関しての話をするわけでもなく、こうしてゆったりとくつろいで過ごす時間もなかなか良いですね。こたつの中では「あら、ごめんなさい」と言いながら伸ばした足がぶつかり合い、仲間との距離がまたほんの少し近づいたような気持にもさせてもらいました。

ひときわ盛り上がった話題は、ゴムベルト!

会員さんのひとりがベルト通しにホックでとめるだけの便利なベルトを「これいいですよ」と自分がしているのを見せてくださったんです。サイズ調節も簡単で、フィット感も抜群。バックルがないから、しゃがんだ時の腹部の圧迫感も軽減するという優れもの。

「何!?何!?初めて見た」と昔の乙女達は大興奮!!

何といってもトイレの時に便利。すっきりとした着こなしに、それいい~~の嵐。\(^o^)/

気が付けば病気のことなど忘れている時間。 それも大事ですね。

アップした写真は本日のデザート、牛乳かんてんのフルーツソース添え。見た目もお洒落な牛乳かん。それでいてどこか懐かしい味がしました。ご馳走様でした。

ハートプレイスは食べてばっかりのイメージですが、今は食べれなくても話の輪の中には入ってみたいなあと思ってくださる方も歓迎しています。

ぜひお気軽にお越しくださいませ。お待ちしております。    【天野】

第33回 平成27年12月6日(日)

11:00~16:00 寒川町小谷地域集会所 2階和室

12月に入り、朝晩ぐっと冷え込むようになりましたね。冷えは体の大敵。会員の皆さんも冷え対策には気を使っているようです。 夜寝る時に手袋をしている方、マッサージをかかさずにやっているという方もいらっしゃいました。私も間違いなく冷え性なので、なるべく温かいものを摂るように心掛けています。様々な生活の工夫がシェアできるのも、サロンの良さのひとつですね。

さて、1年の締めくくりの今日のサロンはハートプレイスの忘年会。体調を崩してお休みしている仲間、仕事をしている仲間のことをそれぞれ思いながら、今年も12月まで過ごせたことに感謝。

テーブルの上だけ見ると、がんサロンというよりは・・・女子会!(笑)

本日のメイン、手作りおでんが運ばれて来た時には一同目が釘づけに。コトコト煮込んで味がしみたおでんは、寒い日の何よりのご馳走ですね。

お父様お手製のマシュマロの酒粕漬けを持って来てくださった方もいて、初めて食べるそのお味に、皆さん美味しいと堪能していました。

今年、告知~手術を受け、大変な1年を過ごして来られた会員の方から、「皆さんの体験話に共感し、癒され、元気になりました」と参加後にメールをいただきました。

サロンには辛さや不安を分かち合える仲間の存在があり、罹患して間もない方にとっては、先輩たちの存在が何より心強く、安心に繋がるのではないでしょうか。

ハートプレイスは【心の居場所】という意味合いがあります。今年も素敵な良いご縁をいただき、繋がった皆さんと、これからも一緒に歩いていきたいと思います。   【天野】

第31回 平成27年10月25日(日)

13:30~16:00 寒川町小谷地域集会所 2階和室

秋晴れの一日。外はひんやりとしていますが、定例会の会場は日当たりの良い二階。窓を開け、秋風を入れての開催となりました。

本日、都合で参加できなかった会員の方から、秋を感じる素敵な差し入れをいただきました。子供の頃、山に行った時に食べたあのアケビです。市場で買ったものらしいのですが、会員のおひとりの方が「これはもしかしたら、ムベじゃないかしら」と。

果たして、アケビなのか、ムベなのか?? 調べてみたら、実が熟してパカッと割れるのがアケビだそうです。しかも、小葉が3枚なのは【ミツバアケビ】というれっきとした名前がありました。 食べ方はスプーンで口を開き、半透明の果肉を食べます。そのままかじっても良し。種子は吐き出す。更に調べてみると、アケビの皮の天ぷら、唐揚げ、田楽といったレシピまでが載っていました。ぽってりとした形の赤紫色の実はまるで金時サツマイモのよう。 実りの秋の差し入れに、心もほっこり温まる思いでした。

今月はホームページを見ましたという新規の方のご参加がありました。数ヶ月前からサロンに行きたいと思っていてくださっていたこと。それでも治療中はしんどくて、治療が落ち着いたのでご参加くださったことを話してくださいました。

乳がんに罹患した方が、それぞれの想いでネット検索をし、私共のハートプレイスに繋がってくださることを大変嬉しく思います。これからも、その方たちとのご縁を大切にしていきたいと思います。

季節の旬の果物を囲み、今日のティートークも様々な話題が出ました。

関節の痛みの話、漢方薬の話、記憶力の話。そして、お好みでお茶をセルフでどうぞ~と皆さんにおすすめしておきながら、電気ポットのコンセントを本体に接続していなかった私・・・(;^ω^)またまたしでかしました。

笑って許してくださる皆さんのあたたかさに感謝申し上げます。

「こんにちは~」と挨拶をしながら今日も会場に来てくださった皆さんの笑顔が、まぶしいくらいに輝いて見えました。今、この時を生きているって素晴らしいことですね。   【天野】                  

第29回 平成27年8月23日(日)

13:30~16:00 寒川町小谷地域集会所 2階和室

猛暑の夏でしたが、朝晩の空気に秋の気配を感じるようになりましたね。夜になるとコオロギの鳴き声が聞こえ、夏も終わりに近づいています。

さて今日はサロンの前に集まれる方のみで、イタリアンのランチ会をしました。私は都合で参加できませんでしたが、美味しいイタリアンを堪能してきたことが皆さんの表情から伺えます。

食べ物を美味しくいただけることの有り難さに気づくことができたのも【がん】という病気を経験したからでしょうか。 当たり前のことが普通にできる幸せ。朝起きて、洗面台の前で顔を洗うことや、料理をすることや、外出し友人と会うこと等々、それはできなくなって初めてわかる有り難い日常の連続です。

先日、ご縁のあった方がこんなことを言っておられました。

日本語の「ありがとうございます」とは、「有り難うございます」ということ。有ることが難しいことが、ここにございます・・・つまり、もうあり得なく、とてつもなく信じられないことが、【今ここ】で起こっているよ!ということ。

【今ここに生かされていることに感謝します】ということを私達日本人は日常で使っている。そんな日本語の面白さをその方はお話されていました。 私に重ね煮料理を教えてくださった方です。

今日のサロンも話題に事欠かない盛り沢山の内容でした。ヤングコーンの木の話から、外国のトイレ事情、果ては""お通じ""の話まで。(笑)

食べる⇒排泄する 大切な営みですね。

こんな話が気兼ねなくできるのも、アットホームなハートプレイスならではでしょうかね。今日も有り難い、ためになる時間でした。

アップした写真は会員の方が持って来て下さった無農薬の珍しい品種のナスと、手作りのキュウリの漬物です!

【天野】

第27回 平成27年6月28日(日)

12:00~15:00 平塚市 花菜ガーデン

今月はハートプレイスでは初めての試みですが、平塚の花菜ガーデンに遠足に行きました。大人の遠足へいざ出発! つどいの棟でのランチ&トーク。テーブルの上には思い思いのお弁当が並びます。

初参加の方をお迎えし、食べるのも忘れてその方のお話に耳を傾ける時間がありました。 足柄在住の方で、娘さんと一緒に遥々遠方から参加してくださいました。

湘南、県央地区で、院内型でなく、地域の中で乳がんサロンをやっているのはハートプレイスだけです。術後間もないお母様を気遣い、娘さんがホームページを閲覧して今回来てくださいました。

乳がんは標準でも5年、10年と治療が長いため、その間をどう過ごすかが大切になります。再発の不安を抱え、その不安や、自分だけが "がん患者" という孤独感を家族にも話せずにいる方も多くいらっしゃいます。

ハートプレイスが最も大事にしている "ここに仲間がいます" というフレーズは、まさにひとりじゃないよ。ここに仲間がいるよ。という呼びかけの言葉になっています。

ランチ&トーク後にガーデンの散策に皆で出かけました。気温が高い日でしたが、時折吹く風が心地よく、目の前に広がる緑の芝の上はもこもこと足の裏が気持ち良くて。

鼻を近づけてバラの香りを嗅いでいる仲間のまねをして自分も!う~~ん、いい香り! 初参加の方が「手術をしてから外に出たのは、本当に今日が初めてです」とおっしゃっていました。外出を避け、辛い日々を過ごされてきたのですね・・・

「今日は良く眠れそう」と、娘さんと笑顔を交わすお二人の姿に、ほっと心が和む思いでした。

近間のテーブルの方に話し声がもれてしまうという、会場を借りずにサロンを開催することの難しさも感じましたが、全体を通して良い一日となりました。

体調を整え、今回皆と一緒に長時間歩けたひとりの仲間がいました。季節の花と風を感じているその姿に、勇気と力をもらった気がします。

皆さん、暑い中の遠足、お疲れ様でした。   【天野】

※ご注意 リンク広告と当会は全く無関係です。

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