ART ＆ ALTERNATIVE

EARTH IS CREATIVE　

 人は視覚によって世界を判断し、自らの内にイメージを膨らませる。
 そして意味付けを行ない世界を構築していく。
 自然は自らの美しさで、人を癒し魅了する。
 自然はなぜ美しいのか考えたことはあるだろうか？
 自然はなぜ人を魅了し、人の心を癒すのだろうか？
 目に映る自然の風景そのものが芸術であり、決して人のつくることのできない美をはらんでいる。
 私たちはその美に心を打たれ、そしてさらに自然の美しさへとのめり込んでいく。
 自然界に存在するものはすべてクリエイティブであり それは地球上に創り出された芸術だ。
 私たちはその美しさに打ちのめされざるをえない。
 深い森の緑は、私たちの心の奥深くへと侵入し、私たちの心を占領してしまう。
 そして、私たちを夢の世界へと誘う。
 深い海の青さは、私たちの心の汚れを洗い流し、 そのあまりの青さに、私たちは気が狂いそうになる。
 真っ白な氷は、私たちの心の中にも白の世界をつくり出し、 私たちはそこで白の妖精に出会う。
 上を見上げるとそこには、真っ青な空が天上を覆いつくしている。
 そこに、鳥が一羽飛んでいった。
 自由を独り占めでもするかのような鳥は大空を我が物顔で飛んでいった。
 それを目で追っている内に、真っ青な空に私の心は吸い込まれていった。
 そして、私の心も鳥たちと一緒に飛んでいった。 気が付くと夜になっていた。
 空は真っ暗だが、そこには小さな光が無数に散りばめられた世界があった。
 星たちは私に何かを語りかけるように煌めいている。
 星を見ていると地上の世界を忘れてしまう。
 宇宙は無限の広さを持っているように大きな口をあけて私の真上に迫っている。
 宇宙に飲み込まれるように私の心は宇宙を彷徨い続ける。
 何も無い真っ暗な空間が果てしなく続く宇宙。
 宇宙はなぜこのように真っ暗で何もないのか。
 あまりの空虚さに自分までもが宇宙に透け込んでしまいそうだ。
 自分の存在があまりにも小さく見えてしまう。
 しかし、宇宙は存在し、私たちを圧倒し続ける。
 なぜ宇宙はあるのかと考えるのも恐ろしくなるほどだ。
 もしかしたら宇宙とは私たちの心が投影しているホログラフなのかも知れない。
 そのように思った瞬間、私は自分に戻っていた。
 それにしても地球はクリエイティブで美しい。
 そんな地球を私たちはいつまでも愛おしく思いたい。  (form EARTH THE EPISODE)

 REAL SENSE それは、本当の感覚と言い換えることができます。
 それでは、本当の感覚とは何か？
 私たち人間は視覚を始めとするいくつかの感覚を拠り所として生きています。
 それ故に、人間は感覚の生き物であると言われます。
 感覚とは本来、外部環境を感知することのできる能力です。
 これは生物が生きていく上で自然に備わった能力です。
 外部環境を自分の感覚に置き換えることによって 私たちは外部の世界を認識しているのです。
 私たちが感知している外部世界は人間の感覚に置き換わった世界ですから、 それを認識環境と呼ぶこともできます。
 ですから、私たちが感知している世界はあくまでも認識環境であって、 本当の世界とは違うものです。
 ある意味では私たちは感覚によって惑わされているとも言えます。
 例えば視覚という感覚は物に光が当たり反射してきた光子（量子）を 感知することからくる感覚です。
 ですから、光の当たり方、色、強さによって物はどうにでも変化して見えます。
 どれが本当の物の姿であるとは言えないわけです。 視覚とは表現であると言えます。
 写真とは人間の見ている世界をそのままフィルムに写し取ったものです。
 絵とは人間が視覚でとらえた世界や私たちの内部にイメージとして存在する世界を 紙の上に絵の具で表現した世界です。
それはアートといわれます。
 このように、視覚と表現とは一体化したものと考えることができます。
 本当の感覚とは、世界の実在をとらえる力であると定義されます。
 果たして私たちは本当の感覚で世界の実在を見ることはできるのでしょうか。
 これは、わたしたちにとって永遠のテーマになるのでしょうか！それとも・・・

 REAL SENSEでは、“本当の感覚”というテーマで 世界を映し出す感覚を切り口にして考えてきました。
 REALという言葉には、現実、それも生々しい現実という意味も含まれています。
 むしろ、こちらの意味の方が強いかもしれません。
 REALISMとは、現実主義・写実主義を意味します。
 つまり、REAL SENSEによって世界の実在をえぐり出すことがREALISMなのです。
 しかし、私たちはREAL（現実に）に留まっていることを好みません。
 私たちの意識は、その先にある世界、つまり、超現実的世界へと向かうことを選択しました。
 超現実とは非現実ではなくて、現実の先にある現実を超えた世界、 現実世界を内包する世界なのです。
 またそれは、私たちの感覚で捕えられる世界ではなくて、 偶然性や白昼夢を介して突然私たちの前にその姿を現します。
 そして、私たちは露になった超現実を確実に捕えてアートにしていこうとしているのです。
 アートの真の役割とは、それを目にする人の心を感化することにあると私たちは信じています。
 アートが人の心を変えることによって、世界が平和で愛に満ちるのならば、 私たちにとってそれ以上の悦びはありません。