知、仁、勇とは

「知、仁、勇の三者は天下の達徳なり」(中庸)

◆ 言葉の意味

この言葉は「徳の中でも、とりわけ重要な徳は、知、仁、勇の三つである」という意味です。
「知」とは、深い読みのできる能力、ものごとを適切に処理できる能力のことを言っています。
「仁」とは、相手の気持ちや立場に立って考えること。
いわゆる思いやりですね。
「勇」は、文字通り勇気です。
決断力と言っても良いでしょう。
そして、「達徳」があります。
「達徳」とは徳の中の徳、ということです。
では、「徳」とは何でしょう。
「知、仁、勇」以外の徳にはどんなものが考えられるのでしょう。
誠実、信頼、品格、自信、忍耐、節制、正義、律儀、実行力・・・・
「徳」の定義はむつかしいです。
いわゆる、他人から信頼されたり尊敬されたりすることが「徳」なのかもしれません。


智・仁・勇は
論語で三徳と言われ
「智の人は惑わず、仁の人は憂えず、勇の人は恐れない」の説話で紹介されています。
何が正しいかを識り、相手の立場になって考えられる慈愛の心を持てば、惑わされることなく、憂えることなく、勇気をもって信念を貫くことができます。

※論語は中国春秋時代の思想家である孔子とその弟子たちによる言行を収めた書物であり、孔子の始めた儒教の経典とされています。中国史上最も読まれた書物であり、南宋時代に創始された朱子学における「四書(論語・大学・中庸・孟子)」の一つとしても知られています。

儒教の経典に、大学・中庸・論語・孟子(もうし)の四つの経書を四書という。
その中の一つである「中庸」は、孔子の孫である「子思」の撰とされています。
「大学」が四書の入門編とされているのに対し、「中庸」は四書の中で最後に読むべきものとされているようです。
論語の中に「中庸の徳たるや、それ至るかな」という言葉があります。
まさに「中庸の徳」が最高だということです。
中庸の「中」とは、中間ということではありません。
どちらにも「偏らない」ということです。
つまり、バランスの取れた考え方や行動を指しています。


※四方山話

桃太郎はなぜ「犬」「猿」「雉」の三匹をお供にしたのか??

儒教四書の論語に「智の人は惑わず、仁の人は憂えず、勇の人は恐れない」とあり、孔子は智仁勇を大いなる徳とみなしていました。
桃太郎のお供を考えるとき智仁勇に、親しみのある動物をあてはめることによって、子どもにもわかりやすいお話にしようとした説があります。
「智」 猿は猿知恵というように知恵
「仁」 犬は3日飼ったら恩を忘れないという仁徳
「勇」 雉は火事の時自らの羽を巣に覆いかぶせ卵を守ることから勇気がある生き物、ということでこの3匹が選ばれました。
以上の説明は日本桃太郎会連合会というところで紹介されていました。

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