ネットリサーチ実践編:アンケート目的の設定とアウトプット(成果物)の重要性

リサーチのワナを回避する唯一の方法とは

ネットリサーチ(ネットアンケート、ネット調査)を行う時に、「目的を設定することが非常に重要」ということは前回のコラムでお話しました。そして、その理由としてリサーチのワナにはまってしまうということを述べました。

では、そのワナにはまらないためにはどうすれば良いのでしょうか? その答えは非常に単純ですが、実施するには非常に難しいものです。それは、

「目的に沿ったアウトプット(成果物)をあらかじめ想定しながら、正しい調査設計を行う」

というものです。どうでしょうか? もしこの文章だけですぐにお分りいただける方は、ここから先のコラムを読む必要はありません。ただ、多くの方にとっては、これがどれほど難しいことか、多くのコンサルティングを手がけて来た筆者にはよく分ります。かく言う筆者も若かりころ、アメリカの大学院で統計学を学んでいた際、国連の統計学顧問をしていた恩師に、このことを何度も厳しく指摘され、苦労して成長した苦い思い出があります。その恩師は10年ほど前に亡くなり、今はただただ感謝していますが・・・

さて、話題を戻し、それでは、その「目的に沿ったアウトプット(成果物)」とはどのようなものか、から話を紐解いていきましょう。

目的に沿ったアウトプット(成果物)とは

まず、リサーチを行う場合、それがネットであろうとなかろうと、必ず設定しなければならないのが「目的」です。目的とはなんでしょうか? ひょっとすると皆さんはこのようなイメージを持たれるかも知れません。あくまで例として挙げますが、

  • 当社に対する一般的なイメージを調べる
  • この新商品が購入してもらえるかどうかを調べる
  • 2案(または複数案)あるCM(あるいは広告)のどちらが印象が良いか調べる

などです。こうした「目的」を元にリサーチが開始されることは、良くあります。ですが、正しいリサーチを行いたければ、このままリサーチを開始する前に、もっと「目的」を厳密化しなければなりません。上のそれぞれの例を厳密化した例を挙げます。

  • 当社と競合各社とのイメージ比較を行い、当社のポジショニングを確認する
  • この新商品を購入してもらえそうなセグメントを調べ、販売金額と予想販売量の相関曲線を調べる
  • 2案(または複数案)あるCM(あるいは広告)のABテストを行い、それぞれの反応の良いセグメントと想定される効果(コンバージョンなど)を数値化する

以上はあくまで例ですが、このようにすると、目的がより具体的になり、結果として次にどのようなアクションを起こすのかが明確になるのがお分りいただけると思います。つまり、それぞれの例で言うと、

  • 当社が自社で想定しているイメージと一般の人のイメージとのギャップを捉え、競合他社との位置関係を明確にした上で、新しいイメージ戦略・戦術を構築する材料の一部とする
  • 新商品が実際に販売された場合に市場の中でどのようなセグメントに訴求するとどの位の割合で購買を引き起こし、かつ費用対効果の高い値段設定ができるかを調べ、結果として新商品としての販売価値があるかどうかを判断する
  • それぞれのCM(あるいは広告)の高反応セグメントと反応率から、どの程度のクリックやコンバージョンがもたらされるかのシミュレーションを行い、これを元に広告の費用対効果としてみた際にどのように回収できるか、あるいはできないかを判断する

と言うことになります。

そうです、もうお分りでしょう。リサーチの目的設定とは、そのリサーチの結果としてどのようなアクションを起こすのかを明確にするために行われるのです。そうでないと、前のコラムでお話したような、時間とお金を浪費する無意味なリサーチが簡単に出来上がってしまうのです。

ではアウトプットとは? これは上の目的を具体化した例の中に下線を引いておいたところがその成果物です。こうしたイメージを持ちながら、リサーチの設計を行っていく必要があるのです。

「アウトプット(成果物)をあらかじめ想定」することの難しさ

ですが、実際には、この「アウトプット(成果物)をあらかじめ想定」しながら調査設計を行う、と言うことが非常に難しいのです。何故でしょうか? これも理由は簡単で、どのようなアウトプット(成果物)があり得るかを事前に知らないと想定のしようが無いからです。これが、私どもが調査の際に最も力を入れており、かつ、クライアントの皆様に喜ばれる理由、所以です。

私どもは様々なリサーチを通じて、アウトプット(成果物)イメージの引き出しをたくさん保有しています。ですので、ご提案の際に、クライアントさんが抱える課題に対して、「こんな風に見ることができますよ」と具体的なイメージをお見せすることが出来るのです。すると、クライアントさんはすぐに、「それなら、それを見てこういうアクションが起こせるな」ということを理解します。その結果、クライアントさんからご好評をいただくことができている、という風に言うことができます。

まずはチャレンジしてみよう

ですが、せっかくコラムを書いているのですから、私どもの支援なしでも皆さんがそのような意義ある調査が出来るよう、なんとかガイダンスして見ましょう。引き続き、コラムを書いて参りますので、ぜひご期待ください。

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